「○河」印ピンマーク入り初号フェイス活字(斜め方向)「○河」印ピンマーク入り初号フェイス活字(ピンマーク正面方向)先日の「丸に篆書「木」のピンマークは木戸活字のものなのか興文堂あるいは鶴賀活版のものなのか #NDL全文検索 で館内限定資料から手が…
少し前に、「★」印のピンマーク入り初号活字を入手していました。 「★」印ピンマーク入り初号フェイス活字(斜め方向)「★」印ピンマーク入り初号フェイス活字(ピンマーク正面方向)先日の「丸に篆書「木」のピンマークは木戸活字のものなのか興文堂あるい…
明朝の漢字と和様の仮名という組み合わせは別に珍しくもなく、目がすっかり馴染んでしまっているけれど――それでも例えば天野御民『詠史百首』(https://dl.ndl.go.jp/pid/872922/1/10)のように新しい和様二号多用例を見つけるとメモを残さずにはいられない…
弘道軒「篆体片仮名」(明治23年) 明治21年12月18日に公布された勅令第85号「意匠条例」(https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/Detail_F0000000000000014318)によって和文活字書体の保護が企図された最初の事例と思われるのが、弘道軒の神崎によ…
少し前に、「"齧られ丸"に篆書〔木〕」のピンマーク入り初号活字を入手していました。 「"齧られ丸"に篆書〔木〕」ピンマーク入り初号フェイス活字(斜め方向)「"齧られ丸"に篆書〔木〕」ピンマーク入り初号フェイス活字(ピンマーク正面方向)以前、大正11…
実は昨年の初夏、字游工房の中野正太郎さんが「August Beyerhaus(美華書館二号活字の制作者)について」というnote記事を書かれた直後にお目にかかってサシで諸々お話しさせていただく機会に恵まれました。当日伺った「現在進行中」の話題が、2024年8月に公…
「俳句がもっと楽しくなるポータルサイト」と銘打たれたウェブサイト「セクト・ポクリット」で2024年11月下旬に始まった新連載「ハイクノスガタ」ですが、字游工房の書体デザイナであり俳人である木内縉太さん(https://x.com/kinouchi9)による第1回「子規…
職場の室内履きとして10年使っているクロックスの、なぜか右だけ何度も接着剤がヘタレて剥がれかかってしまう。しかも決まって右後半部。ここ3年ほど、その都度セメダインスーパーX2(シリコーンゴムにも効くと謳う数少ない接着剤)で補修している。先週右後…
母が先日逝去した。平均寿命には届かなかったが、天寿を全うしたと言ってよいだろう。弟が実家に同居し、晩年の父・母を支えてくれていた。アルツハイマー型認知症の診断が下りる以前から本人的には自分が本調子ではないという自覚があり何度も検査を受けて…
宮澤賢治『春と修羅』初版本(関根書店、1924〔大正13〕)について、ウェブOPAC類で所在確認してみました。紙の本については所在情報確認順に丸数字(①②③……)で通し番号を振り、全ページの閲覧が可能なデジタル画像についてはアルファベット(ⒶⒷⓒ)を振りま…
森荘已池『宮沢賢治の肖像』(津軽書房、1974年)に要所要所で出てくる、山口活版所の当時の代表者山口徳治郎氏からの聞き書きのうち、「『注文の多い料理店』二人」の項で取り上げられている話(「昭和15年2月7日の聞き書き」)に曰く(252頁 https://dl.nd…
ここしばらく集中的に調べている地方別の「謎の五号仮名」用例。先日の「岩手における「謎の五号仮名」用例を探してみて仮称「西磐井活字」は盛岡市内丸の山口活版所で明治30年代に使われていた本文活字だったのではないかと驚いている話」にある通り、どう…
このところ追っている、「『日本』紙や『国家経済会報告』等に見える謎の五号仮名」の件。「北の大地に渡っていた謎の五号仮名」で見た北海道の事例に続く前回「青森と秋田の「謎五号」用例」で北東北のうち国会図書館デジタルコレクションで出版地が青森と…
昭和18年の『日本目録規則』(https://dl.ndl.go.jp/pid/1122648/1/22)や『日本目録規則 1952年版』(https://dl.ndl.go.jp/pid/2932039/1/27)以来の規則により、出版者の所在が「町村」の場合や同名弁別のために都道府県名等が付記される場合を除いて、「…
このところ追っている、「『日本』紙や『国家経済会報告』等に見える謎の五号仮名」の件、「北の大地に渡っていた謎の五号仮名」で見た北海道の事例に続いて、今回は北東北のうち国会図書館デジタルコレクションで出版地が青森と秋田の資料状況を見ておきた…
1930年代から40年代に東京築地活版製造所以外で売られていた「築地体」の活字 例えば森川龍文堂『活版総覧 : 和欧文活字と印刷機械』(昭和81933年 https://dl.ndl.go.jp/pid/1209922/1/20)に見られるように、東京築地活版製造所以外でも「築地体」の活…
はじめに これまで何度か記してきた、秀英舎の五号活字は明治191886年頃から少しずつ小さくなり、明治231890年を境に築地格(略1呎82字:3.71mm角)から秀英格(略1呎83字:3.65-3.67mm角:10.4pt)に切り替わるという話。これは東日本大震災の前に…
NHKのファミリーヒストリー「大泉洋 ~北の大地に希望を託して~」。――2024年12月29日の本放送を見逃していたのですが、2025年1月4日に流れていた再放送の冒頭20分ほどを家事の合間に流し見ていて目に留まった印刷資料があり、1月5日20時41分まで視聴可能と…
2018年5月に横浜開港資料館でお話しさせていただいた「近代活字と明治の横浜」関連公開講座第1回「活字と活字見本帳の語るもの」のために東北大学附属図書館所蔵の『東京日日新聞』原紙をコピーして私製していた勧工寮の五号仮名一覧に、横浜市歴史博物館小…
美華書館のSmall Pica Japaneseの姿は、宮坂弥代生「近代日本の印刷業誕生前史 ガンブルの講習と二つのミッションプレス」(『書物学』15巻〔勉誠出版、2019、https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=101002〕)に掲載されて…
2024年11月9日に「蛮勇を奮って仮称「西磐井活字」全体の整理を始めたものの築地五号と活文舎五号以外へうまくアプローチできず己の力不足を突き付けられている話」という記事を記した五号活字について。同記事の末尾で今後の整理方針について次のように悩ん…
現時点では正体不明の「気になる「き」」が見える資料を再確認 先日「セクト・ポクリットの輪番新連載「ハイクノスガタ」第1回「子規と明治期の活字」を拝読して気になった日本新聞社の活字と明治20年代前半の秀英舎五号仮名」で言及した「『日本』紙と『国…
博聞社の四号と五号の仮名がオリジナルだということを何年も前から喧伝していたものの、12月1日付の記事「セクト・ポクリットの輪番新連載「ハイクノスガタ」第1回「子規と明治期の活字」を拝読して気になった日本新聞社の活字と明治20年代前半の秀英舎五号…
今のところ『座右之友』第二(47頁:https://dl.ndl.go.jp/pid/853896/1/28)以外に東京築地活版製造所が活字見本として掲出しているものを目にした記憶がないのですが、五号楷書活字*1と併用することを主目的とした仮名活字が作られていました。 築地活版の…
以前言及したことがある「大阪都村活版製造所の考案になる草書活字」と思ってよいのであろう仮名活字一式もまた、青山進行堂『富多無可思』に掲載されています(70頁)。 青山進行堂『富多無可思』70ページ「五号草書活字」江川活版製造所の五号行書仮名に続…
江川活版製造所が発行した活字見本のうち、明治30年頃に発行されたものと推定される『新製花形電氣銅版見本』(印刷図書館蔵 Za403)には明朝の二号、四号、五号、六号、七号活字と、江川行書の二号、三号、五号活字、(築地体)二号太字仮名、そして「年賀…
「俳句がもっと楽しくなるポータルサイト」と銘打たれたウェブサイト「セクト・ポクリット」で2024年11月下旬に始まった新連載「ハイクノスガタ」第1回「子規と明治期の活字」でご参照頂いたおかげで、『書体のよこがお:時代と発想でよみとく書体ガイド』(…
2024年12月1日付で明治書院『日本語学』43巻4号(2024年冬号)が発行されました。「文字とデザイン」「ローマ字の規範」という2本立ての特集のうち、「文字とデザイン」特集に「明治の和文活字書体―― 一九世紀日本語印刷文字史の結実と二〇世紀日本語印刷文…
はじめに 先日、五号活字を主体とする、文選箱およそ2箱分の古い活字を入手しました。縞木綿の包みを開くと、おそらく当初の姿を保っているのであろう文選箱1つ(主にひらがな活字)と、三分の一程度が崩れてしまったらしき文選箱1つ(主に漢字活字)、そし…
文選箱の「最初の100本」に東京築地活版製造所のピンマーク入り活字が含まれていた話(「築地五号仮名フェイスの築地五号ボディ活字を20本並べてデジタルノギスで計った寸法のメモ(5組測定の100本中1本は築地活版のピンマーク入り)」)の続きです。 築地活…