2019-01-01から1年間の記事一覧
2019年10月19日から12月15日の日程で開催の、東京都中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)第20回特別展「築地の魅力 再発見」関連講演会の第1回として、11月16日に「日本語活字ものがたり ~築地体を中心に~」というお話をさせていただきました。 https:/…
上海美術学院が企画している「美哉漢字」という国際シンポジウムが、9月17日に寧波の天一閣論壇(美哉漢字 偉哉文明)として開催され、第2分科会「數字時代的漢字字體設計(デジタル時代の漢字書体設計)」に参加してきました。 https://kknews.cc/culture/y…
一昨年来、収集資料を(横浜市ふるさと歴史財団が管理する)横浜開港資料館を経て(同じく財団管理の)横浜市歴史博物館へ寄贈されていた小宮山博史先生から、8月7日付で佐藤タイポグラフィ研究所を無事閉所した旨の挨拶を先般頂戴していた。Googleでいま眺…
明石書店から9月1日付で刊行(https://www.akashi.co.jp/book/b472224.html)の荒木優太編『在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活』に、「点をつなごうとする話」という小文を寄稿しました。在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活作者: 荒木優太…
元々使うつもりがなかった大手メッセンジャーアプリを、数年前、家族間の連絡のために導入した。その際、ついうっかり初期設定にしていたため、電話帳から勝手に「つながり」が作られはじめ、慌てて途中で設定を変えたりしたものなのだけれども。IDを交換し…
KさんUさんが来仙、せんだいメディアテーク1階のカフェでミニ集会の後、駅まで歩いた。おふたりを迎えるに当たって、「金属活字考」の資料からスタートして一歩進んだ話――というお題に沿って、少し資料の整理を進めることができた。ありがたい。ご本人には明…
ここ30年ほど日本の近代活字史研究のメインストリームを牽引してきた小宮山博史氏のコレクションは、先日全23回で完結した「ダイナフォントストーリー」での連載「活字の玉手箱」でも「本連載に使用した収蔵先の記載のない図版は、すべて横浜開港資料館収蔵…
かつて上海にあったAmerican Presbyterian Mission Press(美華書館)の活版印刷技師だったWilliam Gamble(ウィリアム・ガンブル)が、「いつ」日本に来て「どれくらいの期間」滞在し、「どのような内容」の事柄を伝えたのか。「いつ」日本に来たのかという…
2015年に刊行された『タイポグラフィ学会誌』08号に掲載された研究ノート「大正・昭和期の築地系本文活字書体」の段階で「今後の課題」としていたことに関連して幾つか調査が進みつつあることについて、ツイッター等で書き散らしてきた事柄を、中間報告とし…
以前、日下潤一さんの事務所でゲラ盆2枚に収納されていた府川充男氏日下潤一氏旧蔵ひらがなカタカナ活字4種をお送りいただいて整理してみた際に、ひらがなカタカナのセットとしては一部に不足の文字種があると見ていたのだけれども。その後ゲラ盆とは別のと…
ネットオークションに出ていた『栃木縣地租改正報告』(明治8年第1号~明治9年第4号合綴)を入手した。出品時の内容見本写真に、とても気になる箇所があったためだ。手元に届いたものをスキャンした画像を示す。栃木縣地租改正報告(明治9年第4号)一丁(全…
2018年の11月に「世界史の中の和文号数活字史」を脱稿し、我ながら今更かよと思いつつ歴史活字サイズの取扱について英語圏のbibliographerが積み重ねてきた議論を再確認してみているシリーズ。今回は、Monotype社のType Drawing Dept.のDirectorだったJohn C…
勉誠出版から2019年4月30日付で刊行される(された)、『書物学』第15巻「特集◉金属活字と近代」に、「世界史の中の和文号数活字史」という記事を書きました。書物学 第15巻 金属活字と近代作者: 編集部出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2019/04/30メディア…
2017年に入手し、はてなフォトライフかflickrを活用して公開しようと思っていた明治36年版秀英舎製文堂の総合見本帳である『活版見本帖』ですが。デジタル資源のアーカイブとして活用する際の制限・能力ということを勘案し、Internet Archiveで公開しました…
先日Rchardson Jr.「Correlated Type Sizes and Names for the Fifteenth through Twentieth Century」を読んでみた際にチェックしておく必要を感じた、G. Thomas Tanselle「The Identification of Type Faces in Bibliographical Description」(1966『Pape…
先日nipponiaの山田和寛さんから、ちょっと正体不明な感じの活字に関する問い合わせをいただいた。昭和7年3月28日付で鉄道省が発行した『日本案内記 近畿篇 上』(印刷者:日清印刷)に使われている本文活字。問い合わせのためにご提示いただいたのは、ある…
小宮山先生が収集されて府川充男さんと日下潤一さんが共同購入し清刷りを取った後*1日下潤一さんの事務所で保管されていたレアメタルを譲り受けた。このまま一式で保持し続け、「終活」などで手放さねばならなくなった際にはこの一式を(例えばせんだいメデ…
1850年頃に上海のロンドン伝道会印刷所で使われていたLong Primer活字の大きさが、1841年頃のロンドンの主要活字会社の活字サイズに当てはまらないように思われる寸法だったため、この「小さな Long Primer活字」の来歴について何を手がかりに探せばいいのか…
W. Craig Ferguson「A Note on Printers' Measures」(1962『Studies in Bibliography』15巻242-243頁)を見た。「R. B. McKerrow stated that many composing sticks of different fixed length were used in early prnting shops.(R. B. McKerrowは、初期…
JSTORでバックナンバーが読める『Studies in Bibliography』掲載ペーパーのうち、Fredson Bowersの一番古いものと思われる「Some Relations of Bibliography to Editorial Problems」(1591/51「SB」3巻37-62頁)を斜め読みしてみた。Analytical Bibliograph…
Philip Gaskell「Type Sizes in the Eighteenth Century」(1952/53『Studies in Bibliography』5巻147-151頁)を読んだ。「活字サイズ」というのは活字ボディの寸法であって文字ヅラの大きさのことではない。欧文活字の場合――Gaskellによれば――通常大文字(…
上海美華書館のWilliam Gambleが長崎の本木昌造に伝えた漢字活字群のうち、ロンドン伝道会(LMS)ルートで開発されて上海に渡った「一号=Double Pica」活字と「四号=Three-Line Diamond」活字。LMSの印刷物で「四号」漢字活字と同時に使われている、一見する…
Fredson Bowers「Bibliography, Pure Bibliography, and Literary Studies」(1952年『The Papers of the Bibliographical Society of America』46巻3号)を斜め読み。山下浩氏によって、 英米の書誌学会は、通常 Pure Bibliography といわれる印刷工程や植…
2018年、横浜開港資料館「金属活字と明治の横浜」のあれやこれやが落ち着いたら再開しようと思っていた「府川充男撰輯『聚珍録』(三省堂、2005)愛読者Wiki(暫定版)」の作業は、結局手をつけないままになってしまった。今年も多分、優先順位は低い状態に…