日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「け」と読むケヶはこれ丈ヶぢゃないよ

先日来「こ」「か」「が」と読むケヶのことば尋ねてみてゐるGoogle先生さ、「け」のケヶば尋ねてみっぺと思って、「丈ケは(丈ヶは)」「丈ケの(丈ヶの)」「丈ケでも(丈ヶでも)」「丈ケなら(丈ヶなら)」などと検索してみたんだども、見事に撃沈されてしまった…

濁点つきの漢字

濁点つきカタカナ井の件に、T先生からメールを頂いた。己は濁点がつけばカナ(漢字に濁点はつかない)と思ってたんだども、近世日本語文書では「高声゛」で「カウジャウ」と読ませる例などが珍しくない由。 すげえぜ日本語!! 残念ながら、九州大学附属図書館「…

小書きのヒと濁点つきカタカナ井

安岡センセイがスラドに小書きヒの件を記しておいでなんだども。 http://slashdot.jp/~yasuoka/journal/481747 スラドのログインユーザでないとコメントが書けない仕様になってるんで、自分の日記さ書いておく。 1908年春陽堂版の夏目漱石『野分』463頁にあ…

Google先生に「こ」「か」「が」のケヶを尋ねる

先に結論を記すと、「こ」と読むときのケヶと、「か」と読むときのケヶ、「が」と読むときのケヶは、我々日本語作文者にとって、同じ重みを持つ選択ではない可能性がある。どうも、「か」と読む日常語の表記におけるケヶの選択に際しては、「こ」・「が」の…

築地電子活版2009年8月29日(土曜日)セミナー関聯告知

築地電子活版のサイト http://www.tsukiji-type.co.jp の、「近日催事予告」ぢゃなくて「図書外装設計」のところに、ひさびさに催事の告知が出てゐるゾ!! どれも捨て難いんだども、華やかで景気良さげっていふ理由で、己は第五の告知が好き。

Google先生にn[ケヶカヵ个箇か]月の用例数を尋ねてみた

以下、2009年7月13日23時頃の、n[ケヶカヵ个箇か]月に関する日本語ページの検索結果。 nケヶカヵ个箇か 一55,2006,250,000243,000400,00017,80038,100515,000 二22,000951,000106,00092,70052517,100135,000 三44,000924,000107,00088,6003,86026,00088,800 …

『大日本古文書』に見える蘭通詞本木昌造の仕事

すっかり忘れかかってゐる、本木伝に追加すべきエピソードの件。 和蘭通詞としての本木昌造の仕事が『大日本古文書 幕末外国関係文書』に見られることを、徳永直が『光をかかぐる人々』に記してゐる。同書第八巻・第九巻に、「安政の開国」に絡む昌造の働き…

芝野先生講演会「電子翻刻における「読み」と「見たまま」」の記録

青空文庫が主催した芝野耕司先生の講演会「電子翻刻における「読み」と「見たまま」」が7月4日無事終了し、芝野先生のパワポをPDF化した資料が公開された模様。 http://sites.google.com/site/shibano/aozora-bunko-kouen-shiryou 講演会(昼の部)を受けて、…

今井直一「活字書体と読み易さ」の時代背景

和文活字の可読性について、昭和十八年の『印刷雑誌』に、今井直一が「活字書体と読み易さ」と題する記事を残してゐる*1。これは、昭和二十四年に出された今井の単行本『書物と活字』第五章「和文活字の読みやすさ」の基になったもの。 Readability(可読性…

Type、書体、Style、書風、Taste

先日の書体と書風の件、続き。 FeZnさんの「リュウミンとヒラギノの哲学を垣間見る」における、リュウミンUがLからHまでのウエイトのTypefaceと違ふ「印象」であることを語るための言葉。 下記リョービ本明朝において、LとMで打ち込みの初めの箇所やハネの末…

愛と鬱があるユニークで豊かな十二字

目覚めるとまた白いワニが来てゐて、右手に喰ひつきながら言ひました。 そろそろあの十二の漢字をぜんぶ使った例文が出来上がった頃ぢゃないか? いやそのえーと…。 ワニさんワニさん、僕の右手を知りませんか? …。 明日から左手で次の字を書く練習します。 …

狭義の書体(タイプフェイス)の訳語

トナンさんが「リュウミンやヒラギノ明朝の違いは「書体」の違いではない」と書かれた記事に対する感想としてしろもじさんが書かれた「印刷文字における書体・字体・字形」といふ記事を見てゐて。 以前「公有フォントの利用と制作のための参考情報」を調べて…

中野重治旧蔵『光をかかぐる人々』への徳永直の書込

Mさんのおかげで自分でも思ってもみなかったほどマンガ文字のことについてあれこれ考へてゐたと判った今日このごろ。 一段落したところで、坂出市立丸岡図書館の中野重治記念文庫Tさんに依頼した中野旧蔵徳永直『光をかかぐる人々』書き込みページの複写が届…