日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

名誉教授の訃報

父の逝去に伴い、国会図書館(国内資料課)に父の没年データを提供したのだけれど。NDLへの連絡に先立って、父の最後の勤務大学総務部門への連絡を済ませておいた。某大学、としておこう。この某大学は「某大学 訃報」で検索しても、たまたま訃報が掲載され…

国会図書館の著者名典拠データに父の没年を登録

父が今月逝去した。急なことではあったが、平均寿命は超えており、天寿を全うしたと言ってよいだろう。 国会図書館の著者名典拠データに登録されていることを以前確認していたので、「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス」(https://id.ndl.go.jp/a…

小秋元段先生の〈一部嵯峨本とその前史に見られる #乙女割付〉論文の存在に今頃気がついた

小秋元段先生の〈嵯峨本前史を形成する書物群に見られる #乙女割付〉論文の存在に今頃気がついた 去る2月20日に開催された #印刷博物館20周年記念トークイベント 第1回 #印刷文化学会議 の第一部、小秋元段「黎明期の平仮名古活字版の諸相」を残念ながらリア…

日本各地で出版された「印刷史」「印刷文化史」本

文明が開化し日本各地に印刷業が成立し始めてから20年ほどが経過した明治半ば、様々な産業で同業者組合が結成されていく中で、印刷業の世界でも概ね都道府県を1つのまとまりとする同業組合が成立していった。 昭和戦前期や高度経済成長期、あるいはコールド…

大正4年の年賀ハガキ(?)巌谷小波『兎の車』の情報求む

入稿原稿風の朱書きが見られる複製原稿風に作られた、大正4年の年賀はがきかと思われる、巌谷小波『兎の車』というのを入手しました。 逓信省発行郵便はがき〈巌谷小波『兎の車』〉複製原稿面原稿用紙を再現したらしく見える内容で、天には罫線と同じインク…

巌谷小波『こがね丸』題字の彫工と同書制作進行のスピード感(付『こがね丸』の活字書誌)

このところ生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話の中で明朝を得意とする版木彫刻師として言及されている安井台助(臺助)について色々と調べている過程で、『巌谷小波日記』に安井台助の名が記されていることを知った。先日「幕末明治期の版木彫刻師…

幕末明治期の版木彫刻師安井台助が白百合女子大学小波日記研究会翻刻の『巌谷小波日記』に載っていた

先日記した「生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話が竹村真一『明朝体の話』「三、書者名つきの明朝体」に伝わっているのだけれど」の後半に関係する話。生田の話で「川村明朝は川村某の創案にて、入谷の安井台助此風を彫る。安井の忰、川田弥太郎も…

生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話が竹村真一『明朝体の話』「三、書者名つきの明朝体」に伝わっているのだけれど

大正11年7月4日に生田可久が三村竹清に語ったという「明朝といふ書風其初は唐本風なりしが、漸く日本化して、嘉永の頃源蔵明朝といふが起これり」と始まる話について、延々と、虫観的に読んでみている。いま分っている範囲で3回、三村はこの話を公に書いてい…

三村竹清日記と『本之話』に見る字彫版木師の標準単価の話

先日「大正11年7月4日来話」とだけ記した生田可久からの聞き書きの件とは別に、やはり「大正11年春」に生田から聞いた話として三村竹清が『本のはなし』に書き残している話題がある。『三村竹清集2』では同書90頁に掲載されている、「文字ほり」と題された話…

仏典字様の活字と明朝様の活字

天理図書館の館報『ビブリア』87号(1986)に掲載された、岸本眞実「近世木活字版概観」に、ちょっと気になる話題が記されている(83頁)。 錦林王府(聖護院門跡)の木活字版『唐鑑』も、私家版に属するものであろう。 この王府に伝来した活字は、仏典の字…

三村竹清日記の『演劇研究』翻刻掲載状況と個人的な願望

三村竹清日記「不秋草堂日暦」(三村竹清日記研究会)の早稲田大学演劇博物館紀要『演劇研究』掲載状況は、次のようになっている。演劇博物館のバックナンバー紹介記事では各号に掲載されている日記の内訳に関する記述が全く無く、国会図書館の書誌も2010年…

フランス国立印刷所のDidotミリメートル式ポイント活字が謎すぎる

横浜開港資料館で開催された平成30年度企画展「金属活字と明治の横浜」の準備を手伝わせていただいた際、小宮山博史コレクションの至宝の1つ『フランス王立印刷所活字見本帖 Spécimen typographique de l'Imprimerie royale』(1845刊)を間近に拝見する機会…