日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小秋元段先生の〈一部嵯峨本とその前史に見られる #乙女割付〉論文の存在に今頃気がついた

小秋元段先生の〈嵯峨本前史を形成する書物群に見られる #乙女割付〉論文の存在に今頃気がついた 去る2月20日に開催された #印刷博物館20周年記念トークイベント 第1回 #印刷文化学会議 の第一部、小秋元段「黎明期の平仮名古活字版の諸相」を残念ながらリア…

日本各地で出版された「印刷史」「印刷文化史」本

文明が開化し日本各地に印刷業が成立し始めてから20年ほどが経過した明治半ば、様々な産業で同業者組合が結成されていく中で、印刷業の世界でも概ね都道府県を1つのまとまりとする同業組合が成立していった。 昭和戦前期や高度経済成長期、あるいはコールド…

大正4年の年賀ハガキ(?)巌谷小波『兎の車』の情報求む

入稿原稿風の朱書きが見られる複製原稿風に作られた、大正4年の年賀はがきかと思われる、巌谷小波『兎の車』というのを入手しました。 逓信省発行郵便はがき〈巌谷小波『兎の車』〉複製原稿面原稿用紙を再現したらしく見える内容で、天には罫線と同じインク…

巌谷小波『こがね丸』題字の彫工と同書制作進行のスピード感(付『こがね丸』の活字書誌)

このところ生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話の中で明朝を得意とする版木彫刻師として言及されている安井台助(臺助)について色々と調べている過程で、『巌谷小波日記』に安井台助の名が記されていることを知った。先日「幕末明治期の版木彫刻師…

幕末明治期の版木彫刻師安井台助が白百合女子大学小波日記研究会翻刻の『巌谷小波日記』に載っていた

先日記した「生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話が竹村真一『明朝体の話』「三、書者名つきの明朝体」に伝わっているのだけれど」の後半に関係する話。生田の話で「川村明朝は川村某の創案にて、入谷の安井台助此風を彫る。安井の忰、川田弥太郎も…

生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話が竹村真一『明朝体の話』「三、書者名つきの明朝体」に伝わっているのだけれど

大正11年7月4日に生田可久が三村竹清に語ったという「明朝といふ書風其初は唐本風なりしが、漸く日本化して、嘉永の頃源蔵明朝といふが起これり」と始まる話について、延々と、虫観的に読んでみている。いま分っている範囲で3回、三村はこの話を公に書いてい…