2014-01-01から1年間の記事一覧
ここ数日、手元のPCにダウンロードしてある国会図書館デジタルコレクションの書誌データのうち、単純な新旧字体差判定ではない「ゲタリスト」候補案件を国デコで眺めている。 「三連ゲタ」案件でかつ元素漢字案件だから面白そうだと思ってチェックした『原素…
ファミリーマートの店内で、コンビニ流通フォーマットの軽装判コミックススタイルで『鉄腕アトム』と『鉄人28号』が出ていることに気づいた。鉄腕アトム: ~素晴らしき少年の世界~ (少年王シリーズ)作者: 手塚治虫出版社/メーカー: 光文社発売日: 2014/12/15…
正月を迎え、今年こそは明治初期案件に取り掛かるというつもりでいたはずなのに、魔導書の指し示すまま大正10年代から昭和ヒトケタの界隈へ寄り道せざるを得なくなった己。 数年前に東北大学附属図書館の北青葉山分館に籠って明治中期から昭和初期の教科書類…
本日発売の『アイデア』368号「日本オルタナ精神譜 1970-1994 否定形のブックデザイン」では、巻頭に掲げられている「日本オルタナ出版史 1923-1994 総合年表」の編集にも参加させていただきました。ご高覧いただければ幸いです。idea (アイデア) 2015年 01…
11月3日に個人的ブームとなっていた、日比野浩信編『歌びと達の競演 諸家集・歌合断簡集成』(青簡舎)の帯にこんなことが書いてあった。 古筆学会の泰斗久曾神昇先生の蔵書「志香須賀文庫」所蔵の古筆資料の中から、諸家集と歌合の古筆切を精選し、的確な解…
12月10日発売の『アイデア』368号「日本オルタナ精神譜 1970-1994 否定形のブックデザイン」に、「近代日本語活字書体小史」という文を書かせていただきました。idea (アイデア) 2015年 01月号作者: 誠文堂新光社出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2014/…
2014年11月30日付で刊行された『タイポグラフィ学会誌』07号に、「江川活版製造所研究会」(板倉雅宣・内田明・大石薫・片塩二朗・松尾篤史)の共同作業による研究ノート「江川次之進の事績と江川活版製造所の変遷」が掲載されました。 資料提供など、ご協力…
昭和4年に初版が出て、昭和6年9月に七版になったとある橘輝政『野口英世博士伝』(第一出版社)の奥付を見てたら…… 印刷者が東京市京橋区木挽町2-13の「遠藤」近吉なのに、印刷所が東京市京橋区木挽町2-13の「違藤」印刷所になっていることに気づいてしまっ…
久しぶりに、謎の初期「本様」四号仮名に関係する資料を目にしたので、ちょっとメモ。 明治14年の山田莠『違警罪小解』が全体的に当該活字っぽいんだけど(割注は五号)、残念ながら印刷者の記載は無い。 そんなことがあったので、旧dosei3の記事に言及して…
連続セミナー「タイポグラフィの世界4」羽良多平吉さんの回で話題になった、鈴木翁二『まばたきブック』の題字が《チェンバレンの本?》から採られたという件。 .@mojisyoku ご教示ありがとうございます!『まばたきブック』URL でしたか。(メモを再確認した…
『アイデア』367号「日本オルタナ文学誌」(asin:B00N9BEEVI)の第2章「書物の王としての詩集」に書肆ユリイカ/伊達得夫のコーナーがあり、田中栞『書肆ユリイカの本』(asin:9784791764655)で紹介されていた貴重書など選りすぐりの逸品が12頁にわたってフ…
一年ぶりに横浜市中央図書館に出かけ、柏書房の『中外商業新報』復刻版(asin:4760122060)を眺めた。 商業登記公告彙報に江川活版製造所の支店登記情報を求めてのことなのだが、結論から言うと、全く手がかり無し。 前回は第29巻、明治26年10月11日付の第28回…
ようやく、河出書房版の徳永直『光をかかぐる人々』270頁に記された「齊昭手記」の依拠資料が判明。 『水戸藩史料』上巻乾の264-265頁である。 序文が秀英三号、本文が秀英四号で組まれているのだが、「登城いたし候てハ恐入候ゆへ今日ハ風氣と申立登城延引…
去る9月12日から10月8日まで開催されていた「女子美術大学所蔵 弘道軒清朝体活字の世界」展の期間中、9月27日に開催されたシンポジウムにおいて、基調講演をさせていただきました。 当日のフリートークにおいて、高内氏による「(昭和10年代の)京都で議論さ…
つい先日、山下浩『本文の生態学』(asin:4888882061)を読んで、 漱石の『坊っちゃん』『吾輩は猫である』や鴎外『舞姫』の他に、実際の印刷に使われた痕跡が認められる自筆原稿用紙は、どのくらい知られているのだろう。 ――というようなことを書いていた矢…
この二三日風邪っぽかったのがようやく抜けてきたので、徳永直『光をかかぐる人々』の作業を始めるなら……といってお貸しいただいた山下浩『本文の生態学』を通読。本文の生態学―漱石・鴎外・芥川作者: 山下浩出版社/メーカー: 日本エディタースクール出版部…
昭和になったばかり(まだ「新体明朝」が出る以前)の頃に発行されたものと思われる森川龍文堂『四号明朝活字見本帳』という四号活字の総数見本を見ると、「普通型」と「中型」の2種類の平仮名が掲載されているのだけれど、「普通型」とされているのは築地(…
これまで、「本業」が近代日本語活字史研究者(あるいは19世紀日本語印刷文字史研究者)で「生業」が異分野のサラリーマンであると名乗っていたわけですが、近々生業の職場を去ることとなりました。 今後、本業とのシナジー効果が得られるような、そんな生業…
内務省衛生局から大正11年に出版された、唐沢光徳『医師の来るまで : 子供の手当』。「毒蟲などに刺された場合」という箇所が、本文ページの見出しは「螫」になっており、なぜ書誌データではゲタなのかと不審に思ってしまうが、目次に使われている漢字が「𧌐…
調教モードに役立つ、GUIで編集できるボックスエディタを使うと、Tesseractが「文字グリフ」をどのように認識し「文字」へと変換しようとしているのかが、よく判る。ドキュメントページの「Overview」にある通り、ひと筆書きで辿れる輪郭形状が「ひとつのグ…
Tesseract-OCRの日本語調教(2)に記した、横組みの「〘迭〙〖謬〗⦅柾侭⦆」という画像で調教したTesseract-OCRで、同じ文字列を縦組みにした画像を読ませるとどうなるか。というのをやってみた。 当該文字列しか教えていないTesseractでは、「侭迭柾 侭謬〙 …
調教情報(Training Tesseract3)を見ると、必ず用意すべきファイルとして「unicharset」「inttemp」「normproto」「pfftable」が挙げられている。このうち「unicharset」は先日眺めた、OCRで認識させたい文字の一覧だ。 あとの3つのうち「inttemp」と「pfft…
HPで開発され、現在ではオープンソースとなっているOCRソフトウェア「Tesseract-OCR」の調教をしようと思って、Training Tesseract3のページを眺めている。日本語文書のOCRに利用する「jpn.traineddata」を無理やりテキストエディタで開いてみると、上記育成…
先日、与謝野晶子の結合著作物に言及して、“国会図書館デジタルコレクションの書誌データに関しては、ひとつの資料に関わる著作者を漏れなく盛り込める器であるようにすることを望みたい”というようなことを書いた。 これは、評論家気取りで注文をつけ、誰か…
やはり全書誌メタデータにアクセスできるというのは、ありがたい。個人で国会図書館の全書誌メタデータを手元において参照するという試みから、国会図書館デジタルコレクション(以下「国デコ」)近代デジタルライブラリーのうち現時点でパブリックドメイン…
先日 id:inudaisho さんの「国会図書館デジタルコレクションと鏑木清方」というブログ記事を拝読し、(考えるまでもなく当たり前のことだったのだが)書籍において文章の著作権保護期間と挿絵の保護期間が大きく異なるケースがあり得ることを教えられた。そ…
あの二村一夫氏の調査でも判明していなかった鈴木純一郎の生没年だが、生年は明治元年と思って良いようだ(残念ながら没年は未詳)。国会図書館デジタルコレクションにある、次のような資料には見当たらないのだが―― 古林亀治郎 編『現代人名辞典』(中央通…
国会図書館サーチで福永書店版の徳富蘆花『小説富士』を眺めると、第一巻と第二巻がインターネット公開になっているのに、第三巻と第四巻が館内+図書館送信限定になっているのは何故だろう。 現物を見てみたら理由が判るだろうかと思って学都仙台OPACを引い…
NDLから刈取った書誌データから抽出したゲタリストを眺めていて、0213外字だが0221:2014の「日本語漢字」ではある、そういう文字の実例に出会った。 柴田秋雄『家庭用色染と洗張法』に「汚點〓法」が大量に出現していたのだが、念のため国会図書館デジタルコ…
国会図書館デジタルコレクション(以下「国デコ」)で大隈重信編『開国五十年史』の公開ステータスが「国会図書館/図書館送信限定」になっているのを不審に思い、1907-08年版と1909年漢訳版のNDL書誌データとNDL典拠データをつきあわせてみた。 編者大隈重…