日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

#市谷の杜本と活字館 2階の制作室エリア卓上に展示されていた秀英舎・製文堂のピンマーク入り活字

「活字の種を作った人々」展の会期末ぎりぎりになって、ようやく、市谷の杜本と活字館を訪れました。初訪問です。展示室の隣にある制作室エリアの卓上に「手を触れないでください」という注意書きだけ添えて飾られていたスリムな文選箱3つに、欧文活字5種と…

秀英舎の活字種版彫刻師澤畑次郎と河村鋃太郎のこと

2023年11月3日から2024年6月2日という会期で、市谷の杜 本と活字館の企画展「活字の種をつくった人々」が開催されています(https://ichigaya-letterpress.jp/gallery/000345.html)。この記事の公開時点で、残る会期は週末の3日間。2024年の春からVRツアー…

都式活字(都式新活字)の大きさを9ポイント7分5厘(9.75pt)ではなく9ポ半(9.5pt)相当と判断する理由

以前「新聞活字サイズの変遷史戦前編暫定版」のコメント欄に短く記していた「都式活字(都式新活字)の大きさを9ポイント7分5厘(9.75pt)ではなく9ポ半(9.5pt)相当と判断する理由」を、少し丁寧に補足しておきます。 都式活字のデビュー 明治351902年…

2024年4月より国書データベースで明治新聞雑誌文庫他蔵『有喜世新聞』を全号デジタル画像公開してくださってありがとうございます!(明治14年秋神崎正誼は平野富二を訴えたか?)

東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター(明治新聞雑誌文庫、原資料部)のウェブサイトに掲載されている、2024年4月10日付の最新情報「【おしらせ】国書データベースで明治新聞雑誌文庫資料(2023年5月公開 125点、2024年4月公開『有喜…

夏目漱石『鶉籠 虞美人草』(縮刷版合本、春陽堂)は初版以降いつまで本文が「都式六号活字」で刷られていたのか製版者情報はいつまで掲載されていたか知りたい話

2018年11月、人生初コズフィッシュ訪問の際――今のところ再訪はできていないのですが――、祖父江慎さんが複本でお持ちだった夏目漱石『鶉籠 虞美人草』(縮刷版合本、春陽堂)95版を頂戴しました。大正141925年6月25日発行で、清水康次「単行本書誌」(『…

秀英舎製文堂の六号仮名の変遷

秀英舎の六号明朝活字の仮名書風の変遷――現時点までに分かっている範囲では全部で三段階だったと思われる――を辿れる資料がすべてウェブ資源化されたので、備忘のため記しておきます。 築地六号型(明治19年築地活版「新製見本」型) まだ少なくとも仮名の書…

函館毎日新聞と鹿児島新聞はいつごろ築地9ポイント明朝を本文活字に採用したか

引き続き、「新聞活字サイズの変遷史戦前編暫定版」と「大正中期の新聞における本文系ポイント活字書体の変遷(暫定版)」を補足する、築地活版の初期ポイント活字の話です。先日「中央新聞が明治38年に本文活字として採用した東京築地活版製造所の9ポイント…

東京築地活版製造所の12ポイント明朝活字と写研の石井中明朝MM-A-OKS

『石井茂吉と写真植字機』(写真植字機研究所、1969年)第三章「未知に挑む」の「文字のサイコロ」の項に、今年100周年を迎えた写真植字機の最初の文字盤は「活字の清刷をそのまま湿板法でガラスに複写したもの」だったが実用に耐えず、次に「便宜的にその頃…

中央新聞が明治38年に本文活字として採用した東京築地活版製造所の9ポイント明朝活字

「新聞活字サイズの変遷史戦前編暫定版」と「大正中期の新聞における本文系ポイント活字書体の変遷(暫定版)」に書いていなかった、築地活版の初期ポイント活字のことを記しておきます。 アメリカン・ポイント・システム 日本にポイント活字を普及させた功…