日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

2012-01-01から1年間の記事一覧

孫崎享『戦後史の正体』の本文組

孫崎享『戦後史の正体』―戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)作者: 孫崎享出版社/メーカー: 創元社発売日: 2012/07/24メディア: 単行本購入: 31人 クリック: 410回この商品を含むブログ (86件) を見る―について、「孫崎享著「戦後史の正体」は、日本人全員必…

タイヤ交換

毎年勤労感謝の日にやっていた夏タイヤから冬タイヤへの交換なんだども、今年はその間三連休を取得して妻の実家へ立ち寄っていたので、本日実行することになった。 一昨日二十本目の乳歯が抜けたばかりのウチの野郎ッコ(満八歳十ヶ月)は、今春の冬から夏へ…

白馬からマクドゥーガルへのアドバイス

『BORN TO RUN』BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"作者: クリストファー・マクドゥーガル,近藤隆文出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2010/02/25メディア: 単行本購入: 16人 クリック: 207回この商品を含むブログ (83件…

NDC816の江川行書

このNDC816というのは日本語による「作文書」の類を示す図書分類で、先日来言及している『聚珍録』掲載の江川行書多用例、松下照義『速初成学普通作文独学』(明二八)や江東散史編纂『速初成学日本作文案内』(明三三)が、ここに含まれる。 実は双方とも国…

NDC9類の江川行書

昨秋から今年の初めにかけて、近代デジタルライブラリーで公開中の、明治二十一年から三十一年のNDC9類資料を見直していた。 作業中に気づいた江川行書多用資料を、以下に抜き書きておく。見落としでなければ、明治二十四年以前には用例がない。 明治二十五…

江川行書活字と久永其頴書の名刺(付文昌堂)

最初にまとめた「新聞広告に見る文昌堂と江川活版」に載せていなかったあたりから、話を続けたい。 先日、「江川次之進による行書活字の意匠登録」に記した通り、明治二十三年十月に掲載された、おそらく本邦初の江川行書活字による広告が、この「日高屋」や…

江川次之進による行書活字の意匠登録

三谷幸吉が調査に当ったという『本邦活版開拓者の苦心』、江川次之進の項に、「江川行書」デビュー時のことが、こう書かれている。 (明治)十九年、業務拡張の為に、日本橋区長谷川町に引移った。其年著名な書家其頴久永氏に改めて行書種字の揮毫を依頼し、此…

墜落したB29の行方と吉川英治

東京の空爆(空襲)について、以前「中野重治『敗戦前日記』前川正男『中島飛行機物語』」や「海野十三が見た世田谷の空襲」などとメモをとってきたわけなんだども。 上記に関係する、中島飛行機武蔵製作所を標的に据えて出撃し、青梅市の山中で墜落した第20…

江川活版所/江川活版製造所の所在地

三谷幸吉が調査にあたった『本邦活版 開拓者の苦心』(原著:昭和九年、津田三省堂/再版:平成九年、ナプス)に収められた江川次之進の項を見ると、「明治十六年、総ての準備が整ったので、愈々活字の自家製造を開始すべく、日本橋区境町四番地に江川活版製…

久永其頴と江川次之進の新資料

先日も記した通り、江川行書活字を残した書家の久永其頴や江川活版製造所創業者江川次之進については、実に記録に乏しい。 江川活版については、これまで活字見本帳の類が全く知られておらず、江川行書を多用する印刷物についても『聚珍録』に大島寛治(大島…

新聞広告に見る文昌堂と江川活版

片塩二朗様前略 貴ブログいつも楽しみに拝読いたしております。昨年「タイポグラフィあのねのね*010」でご紹介のあった江川製Albionが今年の活版凸凹フェスタに実機展示になるのだろうかとドキドキしながら案内を拝読し、それらしい言及が見当たらないことを…

マンガの印刷と樹脂版

『大日本印刷130年史』608頁に「樹脂版の導入」という項目がある。全文を引用してみよう。ちなみに書かれている年の区切りは「昭和」である。 四五年ごろ、活版印刷における鉛版工程では、鉛を使う作業環境の改善、および将来に向けての文字組版、写真植字化…

丸善『学鐙』の行頭と行末を見る

先日から、活版時代の行頭禁則を確認してみようと思っていたので、丸善『学鐙』の行頭・行末を眺めてみた。 昭和十七年十二月頃だと、外来音の小書き拗促音と長音符が行頭許容になっている。 戦後も同様で、ここには昭和二十六年二月、二十七年三月、三十年…

『アイデア』352号『明朝活字の美しさ』書評

矢作勝美『明朝活字の美しさ』の書評が4月10日発売の『アイデア』352号に載って嬉しい花一匁。idea (アイデア) 2012年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2012/04/10メディア: 雑誌購入: 4人 クリック: 88回この商品を含むブログ (7件) を…

おおことのはのアンチック仮名史

朗文堂タイプ・コスミイクから、3月20日に今田欣一氏の「おおことのは」が発売になるのだという。 http://www.robundo.com/robundo/blog/?p=1968 和文アンチック体というものの歴史について、何かその語られ方がおかしいんじゃないかと2004年頃から本腰を入…

In my life, I’ll love you more.

昨晩は、四週間ぶりにまた社屋を退出した直後にウチの野郎ッコ(小二)から電話がかかってきた。 「ねぇねぇおとーさん」 「どうしたの○○?」 「うーんとねぇ、ぐらぐらしてた歯がねぇ、抜けたよぉ」 「そうか、やったね」 「でも食べにくいんだよ」 「ああ…

徳永直「日本の文学」(昭十五)

大学院で徳永直の研究などをなさっているWさんから、徳永直が『政界往来』昭和十五年七月号に書いた「日本の文学」という小文の存在を教えていただいた。例の「日本文化史展」を見たことから、「日本の文字」活字における文選や組版を機械化することの難しさ…

近デジ調査九年目

六年前に粗い調査をした明治二十年代の近デジ資料について、昨秋から再調査を始めている。当面はNDC9類をおさらいし、続けて4類をやろうと思っている。 残念ながら旧年中に明治二十七年を終えることができず本日までかかってしまったんだども、明治二十二〜…