日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

Bowers「Some Relations of Bibliography to Editorial Problems」メモ

JSTORでバックナンバーが読める『Studies in Bibliography』掲載ペーパーのうち、Fredson Bowersの一番古いものと思われる「Some Relations of Bibliography to Editorial Problems」(1591/51「SB」3巻37-62頁)を斜め読みしてみた。

Analytical Bibliography(分析書誌学)がtextual criticismにとってどれほど重要な(新しい)武器なのかということを、W. W. Greg、McKerrow、Fergusonといった先行者の仕事を挙げながら説いていく、という内容。

そういう意味では、山下浩『本文の生態学』や、『活字印刷の文化史』に掲載されている豊島正之「キリシタン版の文字と版式」鈴木広光「嵯峨本『伊勢物語』の活字と組版」などで、自分は既に大きな衝撃を受けている

本文の生態学―漱石・鴎外・芥川

本文の生態学―漱石・鴎外・芥川

活字印刷の文化史

活字印刷の文化史

わざわざ(今更)読み返さなくてもいいものだったのかな、と思わないでもない。

強いて言うなら、読み落としているかもしれないのだけれど、「Pure Bibliography」という語はまだ全く使われていないっぽい、というところが収穫かも。