2010-01-01から1年間の記事一覧
井伏鱒二と横光利一が明治三十一年(一八九八)、川端康成・徳永直・宮本百合子が明治三十二(一八九九)年、壺井栄・野呂栄太郎・大宅壮一・戸坂潤が明治三十三年(一九〇〇)生まれ。
ふと思ふところあって、名を並べてみた。 石川啄木、谷崎潤一郎、萩原朔太郎は、明治十九年(一八八六)生まれ。三谷幸吉も同年。平塚雷鳥、高畠素之も同年で、荒畑寒村が明治二十年(一八八七)生まれ。
先日「明治三十年代の印刷工場とその動力」さ記した、明治四十年の調査で高知県の新聞社が輪転機の動力に石油発動機ば使ってるって話なんだども。 石川啄木全集(新版全集)第八巻(昭和五十四年、筑摩書房)に収録された釧路新聞記者時代の啄木の記事さ、「空前…
明治大正期における号数制の金属活字について、それが未知の活字書体である場合、刷られたインクの跡を見て「三号」なのか「四号」なのかを決定するのは意外に難しい。活字尺を当ててみても、小ぶりな字面の三号活字をあまり字間を空けずに組んだのか四号活…
先日の記事「小谷充『市川崑のタイポグラフィ』と「エヴァ明朝」」へのコメントでogwataさんからご教示いただいた『EYECOM』誌の連載「仰天新聞」なんだども、ogwataさんのご厚意により拝読することが出来た。連載記事の筆者唐沢よしこ氏と編集者小形克宏氏…
活字本やマンガ本にアタってる人物が自嘲して「たかがインク染みのついた紙束」等と云ふことがあるけれど、店頭に並び始めたばかりの『アイデア』342「横尾忠則196X」号(asin:B003VZVVC2)のインクコッテリの匂ひといったらもうオソロシイことになってゐる。 …
日本ではおそらくASAHI.COMの記事「米の世界最大書店チェーン売却か 電子書籍台頭…株低迷」(http://www.asahi.com/business/update/0804/TKY201008040095.html)に端を発して呟かれ続けた驚きの声と、それは誤報だといふ声なんだども。 Barnes & Noble自身に…
あちらこちらで絶賛されてゐる小谷充『市川崑のタイポグラフィ』(asin:9784880652405)を拝読。 あの『犬神家の一族』の明朝体は金属活字由来の三書体のうちのどれなんだ? ……と追ひ詰めていき、かつ奇妙な異書体混植の理由を解読するに至る第一章。 タイポグ…
犬丸義一校訂『職工事情』中篇(asin:4003810023)に、印刷職工事情の章がある。明治三十四年から三十五年にかけての調査が記されてゐて、徳永直や三谷幸吉が職人生活に入って間もない頃の状況を垣間見ることができる。 各都道府県の状況を示す、明治三十二年…
亜米利加詩人のBilly Collinsが、電書化された自分の詩集を最近になって初めて眺め、リフローによって詩が台無しになるってんで憤慨してゐるのだといふ。 hon.jp DayWatchによる記事(日本語) APによる元記事(英語) この記事を見て、二つのことに驚いた。 一…
ふだん万歩計としてしか使ってないiPod nano、ピアノ曲ばかり入れてあったんだども、十年来車に置きっぱなしになってるCDばiTunesに取り込んで転送することにした。 まず、YMOの『TECHNODELIC』(asin:B00002JX4I)。これが「Electronica/Dance」といふジャン…
先日の日記『やはりHTML5にはcomplex rubyが必要ではないか』さ、「吉増剛造さんの電子書籍版詩集を担当する人は必読」といふtweetば頂戴した。 恥ずかしながらこのtweetを拝見するまで吉増剛造氏の詩集ば見たことがなかったので、どんな超絶両側ルビが出現…
HTML5(2010/06/27作業ドラフト)のルビ仕様がcomplex rubyを廃して入れ子対応となってゐる点について、JIS X 5042:2000とW3C Ruby Annotation仕様(2001/03/31勧告)の調整を図られた家辺勝文氏がご自身のウェブサイト「ウェブノート * 2010」において、次のよ…
JIS X 4052:2000の解説4.7「ルビの指定」 に、JIS X 4051の改訂時に「親文字の両側に振るルビ」に関する規定が必要であることと、W3Cのルビ仕様との擦り合わせが行はれたことが記されてゐる。 X4052の「ルビ指定の検討時に出された主な意見を次に列記する」…
しばらくの間、twitterで色々とつぶやきあってた「Adobe Japan1-7に入って欲しいもの」を、togetterにまとめてみました。 http://togetter.com/li/30740 当方AJ16不足字体について不案内故、当所をアンテナ補足しておいでの正字正仮名派、旧字旧仮名派の方々…
自分の頭を整理しておくために、縦書きウェブ≒日本語EPUBでの外字の使ひ方について、ちょっとメモしてみる。現在のHTML 4.01 / XHTML 1.1 + CSS 2.1 でも事情は大きく違はないと思ふが、HTML5 + CSS3を念頭に置いてゐる。また仕様上の都合のみ考慮し、現時点…
大正二年十月に『日本印刷界』へと誌名を変えることとなった『大阪印刷界』、大正二年一月号(通巻三九号)から同九月号、そして『日本印刷界』であるところの大正二年十月号(通巻四八号)から大正三年九月号(通巻五九号)までを大阪府立中之島図書館が所蔵して…
@i_mediator 様 ロバート・モリソンの『五車韻府』が、オンラインで参照できてしまうとは、ありがたくも恐ろしい世の中になったものであります。 1820年版: http://books.google.co.jp/books?id=6zkOAAAAIAAJ&ots=c-EQnG9uX-&dq=Morrison%20Chinese%20Dictio…
横山和雄『日本の出版印刷労働運動』戦前・戦中篇【上】【下】(1998、出版ニュース社)ば借覧。大変な労作であることは疑ひないんだども、水沼のアレと同じく、関西の情報は無い。記述が東京周辺に止まることについては、著者ご本人も、上巻の前書きと下巻の…
1920年代に開発され1932年にTimes紙でデビューした、英国モノタイプ社の活字書体「Times」について、《明朝体が広く使われるようになったのは、英字Timesに合わせるためだ》といふ説があるといふんだが。 日本語明朝体活字といふモノに限っても、現在我々が…
満六歳で新一年生となったウチの野郎ッコなんだども。 最初の自己紹介で「いちねんいちくみ、うちだ○△□×です。すきなのは、コンピューターでけんさくすることです。」と宣ひ、センセーから「難しいことが好きなんだねぇ」と言はれてきたらしい。 …… 野郎ッコ…
あれこれ検索してゐて、労働組合叢書の一冊として賀川豊彦が『印刷工の運命』といふのを書いてゐたことを知った。 http://opac.ndl.go.jp/recordid/000001346888/jpn 総合目録でもwebcatplusでも引っかかるのは国会図書館の一冊のみ。 書誌データさ、大阪印…
読んで字の如く。 あれこれ検索してゐて、長崎県立長崎図書館が「活版製造所」の『貮號活字總數目録』を所蔵してゐると知った。 この出版者が、後に「築地活版製造所」「東京築地活版製造所」に改称する「活版製造所」なのか、後に「大阪活版製造所」となる…
『株式会社秀英舎沿革誌』(明治四十年)、鋳造部の項に出てくる「明治十七年六月「ホルニチユール」鋳造機械一式ヲ購入ス」の「ホルニチユール」って何だろう。http://bit.ly/a2hsSz
国会図書館も印刷図書館も持ってゐない、印刷局研究所の『印刷局研究所調査報告』第一号(明治四二年)を北海道大学附属図書館が所蔵してゐると知り、id:karpaさんにご協力をいただいて、同誌所収、小山初太郎「活字型ノ説話」の複写を取得した。 矢作勝美『明…
HTML5とCSS3のルビの件、4/14から、まだまだ考え中。 前回(4/15)悩んだ「HTML5のruby要素内に複数のrtに分ける形式」について、twitterで @MurakamiShinyu さんから、 HTML5のruby要素内に複数のrtに分ける形式はJLReqでいう熟語ルビということになり改行さ…
前回(20100414)に引き続き、「日本の神話時代の終わりに登場する神に、ウガヤフキアエズノミコトがいる。初代天皇神武の父であり、古事記では天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命、日本書紀では彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊と書かれている。」という例文に出てくる…
HTML5(とCSS3)における縦書きやルビの仕様を見直しより良いものにしようという最近の努力がpublic-html-ig-jp@w3.orgに積み上げられているのを拝読して、深い敬意を覚えた。とりわけ、「Re: ルビ問題の妥協点を探る」の前後に刺激を受け、次のような実験を試…
片塩二朗『活字に憑かれた男たち』「神を創った活字研究者・三谷幸吉」さ、「高等小学校読本 七」(1910)の「わが国の活版印刷術の起源」といふ節(本木昌造礼賛記事)が書き写してあって、それに続けてかう記されてゐる。 この紹介は六ページの、簡にして要を…
かつて尼崎市立地域研究史料館長を勤められた故小野寺逸也氏の論文「第一次大戦後の印刷労働運動と三谷幸吉」が収められた神戸市史紀要『神戸の歴史』第23号と、その補遺が収められた第24号が届き、熟読。 三谷の神戸時代については、おそらくこれ以上の調査…