JIS X 4052:2000の解説4.7「ルビの指定」 に、JIS X 4051の改訂時に「親文字の両側に振るルビ」に関する規定が必要であることと、W3Cのルビ仕様との擦り合わせが行はれたことが記されてゐる。
X4052の「ルビ指定の検討時に出された主な意見を次に列記する」として、a)からj)の10通りが列記されてゐるんだども、そのe)において、「両側のルビ」は入れ子で対応できるんぢゃないかといふ意見がある一方、その i)には、
親文字の両側にルビが組まれる指定を<RUBYGROUP>の入れ子で指定する方法では、片側のルビに対応する親文字列と、反対側の文字列に対応する親文字列とが食い違う場合に記述できなくなる。この入れ子による指定方法ではなく、W3C案の親文字列を分割するRB要素の数を数えるrbspan属性を使用する指定方法のほうがよいのではないか。
――とある。
先日「慶應大のルビ」を考へた際、TXの「柏の葉キャンパス駅」にHTML5の入れ子ルビを振ることを考へてみてゐたんだども、これは空要素のrtを使用することで次のように解決される筈だ。
<ruby>
<ruby>柏<rt></rt>の<rt></rt>葉<rt></rt></ruby>
<rt>Kashiwanoha</rt>
</ruby>
<ruby>
<ruby>キャンパス<rt></rt>駅<rt></rt></ruby>
<rt xml:lang="en">Campus Station</rt>
</ruby>
X4052が云ふ「(ネストでは解決できない)片側のルビに対応する親文字列と、反対側の文字列に対応する親文字列とが食い違う場合」を未だ思ひつけないでゐる頭の痛い己に、どなたかお知恵をお貸し下さい。