旧twitterがXになり、「モーメント(Moments)」機能でまとめたメモの閲覧もできなくなってしまったのが自分にとって想像以上に不便である――twilogのキーワード検索では「流れ」や「塊」がうまく拾い出せなかったりする――ので、標記モーメント(https://twitter.com/i/moments/949274402226503680)を2018年1月の
京都学派アーカイブ
http://kyoto-gakuha.info/nishida.php西田幾多郎史料No.09-1「自覚的限定から見た一般者の限定」は、〈意識高い〉組方指示の痕跡を探し求めている当方にとって、とてもとてもありがたいもの。
https://x.com/uakira2/status/949122052794982401
- 2026年注:京都学派アーカイブの「西田幾多郎アーカイブ」はURLが変更されている https://www.kyoto-gakuha.org/nishida.php
これは1929年『思想』11月号掲載「自覚的限定から見た一般者の限定」の入稿原稿で、1枚目に雑誌掲載原稿ならではの「組方指示」メモが添付されている。よくこのメモ込みで残っていたものだと拝みたい。
https://x.com/uakira2/status/949122587598077954
先ほど「〈意識高い〉組方指示」と記したのは、〈オルタナ出版史〉が言う「美しい本」の「美しい」と恐らく同じ意味合いになると思われる「美しい本文(本文組)https://x.com/uakira2/status/919514151088570369」を志向する、そのような意識がハッキリと示されているような指定の痕跡が観察される――ということ。
https://x.com/uakira2/status/949123414538665984
例えば、この「自覚的限定から見た一般者の限定」入稿原稿の2枚目、句点と開きカギ括弧が続くところに(のみ)、全角込物を挿入するよう赤ペンで指定されている。
https://x.com/uakira2/status/949124083605581829
日本語マイクロ・タイポグラフィの一つの難所である連続約物の処理に関して、「自覚的限定から見た一般者の限定」入稿原稿の8枚目には、読点と開きカギ括弧が連続する箇所を四分空けるよう指示があり、その閉じ括弧の後ろも四分空けるよう指定。
https://x.com/uakira2/status/949124743629717504
おそらく、「岩波書店の組版ルール」http://aoyamabc.jp/culture/typetalks34/ というようなものがまだ十分に成立していない時代の、〈意識高い〉編集者(組方指示者)と、組版・印刷担当者との間の、「美しい本文(本文組)」実現に向けた協同の意思、格闘の痕跡。
https://x.com/uakira2/status/949125456426500096
先述した西田幾多郎史料No.06「自覚的一般者に於いてあるもの及それとその背後にあるものとの関係」入稿原稿8枚目などと並んで、貴重な【「美しい本文(本文組)」成立過程の精神史】の史料として、とてもとても有難い。
https://x.com/uakira2/status/949127020276998145
西田幾多郎史料No.10「無の自覚的限定、私の絶対無の自覚的限定といふもの」、2枚目のシート以降が、1931『思想』2月号、3月号に掲載された「私の絶対無の自覚的限定といふもの」に相当するテキストが記されているもの――ということになるのだろうけれど、
https://x.com/uakira2/status/949239334216978434
シート左上隅に手書きで記されている番号を上書きするような新しい番号が(ゴム印で?)捺されている以外、入稿原稿であるらしき特段の痕跡が無く、「原稿(控え)」なのか「草稿」なのか、マテリアルの性質がよく判らない。
https://x.com/uakira2/status/949239820668170245
西田幾多郎史料No.11「歴史」は、何らかの入稿原稿であることを示す組方指示が朱書きされており、「哲学」「西田氏」の朱印が、その「何らか」が何であるかを示すヒントになるものと想像されるのだけれど、グュルベルク氏による年表 http://f.waseda.jp/guelberg/nishida/main.htm に見えないため「何」が何だか判らない。
https://x.com/uakira2/status/949241739797147648
西田幾多郎史料No.12「自由意志」も1932『思想』5月号の入稿原稿であるようだ。1枚目上部余白に小さな紙片が貼られて剥がされた(剥がれた)、そのような跡が見えるのは、No.09-1「自覚的限定から見た一般者の限定」同様の、別添組方指示書が貼られていたものと推定される。
https://x.com/uakira2/status/949242967847452672
西田幾多郎史料No.13「形而上学序論」によって、先ほどのNo.11「歴史」の「何か」が判った。「岩波講座哲学」だ。
https://x.com/uakira2/status/949244872313024512
そしてNo.11「歴史」の1枚目のシート左上隅に「2」というゴム印が押されていたのは、No.13「形而上学序論」のように扉を「1」として本文を「2」から開始する、そういう意味だったわけである。
https://x.com/uakira2/status/949245288031559680
西田幾多郎史料No.14-1「世界の自己同一と連続」は、1935年『思想』1月号の掲載ページへの書き込みによる、単行本『哲学論文集』用の入稿原稿。
https://x.com/uakira2/status/949248201185402880
史料No.14-2「行為的直観の立場」は、1935年『思想』7月号の入稿原稿。もし『思想』のテキストと『哲学論文集』収録のテキストが(一部)書き変わっているなら、No.14-2同様、掲載ページへの書き込みが単行本用の入稿原稿として使われたのだろう。
https://x.com/uakira2/status/949249825702256640
この「行為的直観の立場」7枚目に閉じ丸括弧と句点が連続している箇所があり、そこだけ、句点の後ろにアキを確保するよう組方指示が朱書きされている。「日本語マイクロ・タイポグラフィの精神史」的に(ここ以外に注意書きが必要とされていないという点を含めて)注目。
https://x.com/uakira2/status/949251097322926081
史料No.14-3「図式的説明A」は、単行本『哲学論文集』のために書きおろされた入稿原稿ということになるようだ。朱書きされた組方指定の他、作業経過に関するメモが薄く鉛筆書き(?)されている。
https://x.com/uakira2/status/949255659941330945
史料No.14-3「図式的説明A」の上部余白に押されている紺のスタンプ、左側が11月29日、右側が11月30日と日付が書き入れられているようなのだけれど、インクの薄さと画像解像度の関係で何の日付なのか判らないのがもどかしい。
https://x.com/uakira2/status/949256119762919425
以下、あまり変化が無い部分を飛ばして、西田幾多郎史料No.18「物理の世界」。掲載誌『思想』(1944年1月号)の名がゴム印(仮称「媒体スタンプ」)で捺され、また左下余白に進行管理用と思われる罫区切りスタンプが押されているようだが、内容が読み取れないのが残念。
https://x.com/uakira2/status/949268582679982080
史料No.18-p「哲学論文集第6、扉、序、目次」は、よくぞこの形で遺してくださったと、これまた拝みたい。扉ページは黒インクも赤インクもどちらも編集者の手によるものだろう。扉の余白に判型と本文の字数・行数・予想総ページ数などが併記されている他、扉の指定の細かさがまたイイ。
https://x.com/uakira2/status/949270864062644226
そして、このNo.18-pが「哲学論文集第6、扉、序、目次」と名付けられるなら、14-pは「哲学論文集、第1、序」ではなく「哲学論文集第1、序、目次」とされるべきで、同様に15-1も「哲学論文集、第2、序」ではなく「哲学論文集第2、序、目次」であるべき。
https://x.com/uakira2/status/949271359934291969
更にまた、No.18-p「哲学論文集第6、扉、序、目次」の扉と目次は西田の筆跡ではないように思われ、14-pと15-1も「目次」は西田の筆跡であるように思われる。
https://x.com/uakira2/status/949271654412181504
生きた用語の歴史という意味で、西田幾多郎史料No.19「予定調和を手引きとして宗教哲学へ」(1944年『思想』5月号)入稿原稿1枚目欄外に「初校二通刷」と簡潔に朱書きされているのに対して、
https://x.com/uakira2/status/949273238848196609
史料No.20「デカルト哲学について、同附録」(1944年『思想』7月号)入稿原稿1枚目欄外に「初校 *二 *通 願ひます」とハッキリ書かれていたりするのが面白い。5月号で「初校二通刷」が通じず困ったりしたのだろうか。
https://x.com/uakira2/status/949273865238163459
以上は「入稿原稿の「組方指定」または「組版指定」の歴史を眺める」(2018-01-06)からリンクしていたモーメントを元ツイート履歴から再構成したものです。