日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

文藝春秋の入稿原稿(石原慎太郎「太陽の季節」・遠藤周作「一盃綺言」)の組方指定に記される、凸版印刷「新8ポ」明朝活字指定について(2018年1月作成の故twitterモーメント)

twitterがXになり、「モーメント(Moments)」機能でまとめたメモの閲覧もできなくなってしまったのが自分にとって想像以上に不便である――twilogのキーワード検索では「流れ」や「塊」がうまく拾い出せなかったりする――ので、標記モーメント(https://twitter.com/i/moments/948877660020617217)を2018年1月の吹囀ツイート履歴から再構成してみました:


2016年頭のまんだらけオークションに「遠藤周作 直筆原稿」が出ていた(そして10万円で落札されていた)https://ekizo.mandarake.co.jp/auction/item/itemInfoJa.html;jsessionid=F280C77F5AAB7F4408A17AA07CDDF318?index=326548 ことに気がついた。商品説明には記されていないが、商品画像によるとこれは1963年の文藝春秋7月号に掲載された http://tvdrama-db.com/drama_info/p/id-3012「一盃綺言」の原稿であるようだ。
https://x.com/uakira2/status/948866455545700354

「入稿原稿」なので「組方指示」が書かれていて、そのうち、原稿用紙右余白に「本文新8P31字25行2段」と書かれているのが気にかかる。これは「別冊文藝春秋編集部」名で「本文新8P31字25行二段組」という組方指示が書かれた、日本近代文学館所蔵の石原慎太郎太陽の季節」と同じ意味内容で、
https://x.com/uakira2/status/948867402938200064

1955年凸版印刷和文活字見本帖』に掲げられる、「8ポ」(小振りな字面の母型を8ptボディーに鋳込んだ旧8ポ)に対する「新8ポ」(8ptボディーを前提にした大き目な字面の母型で鋳込んだ活字)を使用するよう指示したものであろう。

1955年凸版印刷和文活字見本帖』(印刷博物館蔵)より

https://x.com/uakira2/status/948873365502050305


また、少なくとも印刷博物館の所蔵資料としては、先ほどの1955刊『和文活字見本帖』から推定1971~73年刊 https://x.com/uakira2/status/459255586954043392 の『組版ハンドブック』までの間、凸版印刷による活字見本(兼組見本)は知られていないと思うのだけれど、
https://x.com/uakira2/status/948875365023285248

例えば講談社が(刊行年不明)短冊形の活字・組見本を自社名義で作成して(おそらく社内編集者に)持たせていたように、文芸春秋社なども同様の見本帳を作っていたりしただろうか。

講談社『活字のしおり』全体像
講談社『活字のしおり』8ポイント明朝の組見本

https://x.com/uakira2/status/948876750481600512

こうした疑問点からも、金属活字時代の出版・編集者が残した「本づくり」に関係する資料というものが現存するなら、しかるべくアーカイブされて欲しいと思う。
https://x.com/uakira2/status/948877314162503680



以上は「入稿原稿の「組方指定」または「組版指定」の歴史を眺める」(2018-01-06)からリンクしていたモーメントを元ツイート履歴から再構成したものです。