日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

主に早稲田古典籍DBでウェブ資源化された「入稿原稿」と、そこに見られる「組方指定」「文選工署名」「媒体スタンプ」等のこと(2018年1月作成の故twitterモーメント)

twitterがXになり、「モーメント(Moments)」機能でまとめたメモの閲覧もできなくなってしまったのが自分にとって想像以上に不便である――twilogのキーワード検索では「流れ」や「塊」がうまく拾い出せなかったりする――ので、標記モーメント(https://twitter.com/i/moments/948506223137112070)を20217年12月の吹囀ツイート履歴から再構成してみました:




〈 『独歩遺文』所収「神と我」原稿〉https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko14/bunko14_a0036/bunko14_a0036_p0001.jpg の朱書「4」は四号活字、「6」は六号活字、無印の本文は五号活字ということだろう。段落冒頭字下げが全て記号(?)で示されていて、明治29年に『独歩遺文』の編者が「段落字下げ記号」を使っていたことが判る。
https://twitter.com/uakira2/status/941585462996516870

大西祝歌稿」http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/nu06/nu06_09206/nu06_09206_b025/nu06_09206_b025_p0001.jpg はDBで「草稿」と記されている http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/nu06/nu06_09206_b025/index.html けれど、これは編集者の「割付」が朱で書き込まれた「入稿原稿」http://d.hatena.ne.jp/uakira/20171103 ではないだろうか。
https://x.com/uakira2/status/941586932089348096

相馬御風「びろうな話」もDBでは草稿 http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he10/he10_07366/index.html だけど全ての原稿用紙に「苦楽3月号」の〈媒体スタンプ〉が押印され一枚目に「割付」の書き込みが有るので「入稿原稿」と呼びたい。
(「本文8ポ〓〓15字26行4段組6頁」の〓箇所が読めない…)

https://x.com/uakira2/status/941627458712776704

いま突然読めた。これ「本文8ポルビナシ15字26行4段組6頁」だな!

https://x.com/uakira2/status/941680997585711104

ノートルダム清心女子大学附属図書館の「坪田譲治コレクション」http://lib.ndsu.ac.jp/collection/tsubota.php にある【草稿「笑顔のお地蔵さま」】も、〈媒体スタンプ〉ではないけれども「苦楽7月号」の表記と「割付」の朱書きがあるので、「草稿」ではなく「入稿原稿」と呼んで欲しい。
https://x.com/uakira2/status/941632657711972352

早稲田古典籍の坪田譲治「花とさかなと鳥」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he24/he24_04930/index.html がDBで書写年不明という扱いだけれど、「共同通信社原稿用紙/朱・藍書入あり」の内容として「特信新年原稿」と記されている入稿原稿なのだから、掲載年の前年末に「書写」されたと見ていいのでは?

https://x.com/uakira2/status/941633867819106304

正宗白鳥「乾いた心」が『太陽』大正6年第1号原稿と注記されていて http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he14/he14_08052/index.html、かつ書写年不明扱いということは、入稿直前まで原稿に手が入っていたとは限らない、だから書写年不明とする、そういう考え方ということか?

https://x.com/uakira2/status/941635290883428352

さて、山下浩 @sousekitokomiya『本文の生態学』を読んでから http://d.hatena.ne.jp/uakira/20140914 ずっと気にしていた「文選工の技量を確認できるような入稿原稿」が早稲田古典籍DBで見つかった。吉田弦二郎「国法の罠」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he08/he08_04517/index.html。超特急で対応した「神」「櫻」「馬」らの技量や如何に?!

https://x.com/uakira2/status/941640734410543104

有島武郎「再び本間久雄氏に」の書写年が1920とされているのは、『早稲田文学大正9年6月号所載原稿だということ以外に、例えば日記などから(原稿が)書かれたのが1920年なのが確実だというようなことだろうか。
(割付、「仮丁/五号/二段/二十一行」?)
(「仮丁」って?)

https://x.com/uakira2/status/941642827657748480

三品藺渓「山桜」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko14/bunko14_a0197/index.html が東京朝日新聞に掲載されたのは、いつだったのだろう。書写年は掲載年と同じにしていいんじゃないだろうか。
(総ルビ時代の原稿整理、大変だよなぁ…)

https://x.com/uakira2/status/941645218591338496

市島春城「春城筆語」の「一部朱書」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/i05/i05_01904/index.html早稲田大学出版部から出版される http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1177503/4 際に編集者が書き込んだ〈かなり丁寧な書き方の〉「割付」と思われるのだけれど、編集者が誰であるか、日記などから判ったりしないのだろうか。




https://x.com/uakira2/status/941650240058269697

諸家原稿断簡六種 http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko14/bunko14_a0186/index.html の内容注記、「朱・墨書入あり」だけでなく、正宗白鳥「肉親」には【新潮】の、小川未明「越後の冬」には【新小説本欄】の、小山内薫(表題未詳)にも恐らく【新小説本欄】の〈媒体スタンプ〉(←呼称検討中)押印あり――と注記される世の中にしたい。
https://x.com/uakira2/status/941652670296735744

宇垣一成「新しき年に処する吾人の覚悟」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/nu06/nu06_08490_1802/index.html は、『偕行社記事』大正12年1月号用の原稿を(編集者に)入稿するのにあたって、(おそらく草稿から)「カーボン複写」によって浄書原稿を2部作成し、入稿直前の校訂を浄書原稿に加えたものの、著者側控えということになるようだ。
https://x.com/uakira2/status/941656814059274240

水野葉舟「女の群」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko14/bunko14_a0148/index.html 冒頭の「日曜付録」スタンプも、本作が何らかの新聞の日曜版付録として印刷に回される際に押された〈媒体スタンプ〉の一種と思われるのだけれど、掲載紙は何で、いつのことだったのだろう。
https://x.com/uakira2/status/941654739783004160

坪内逍遥「新修「ハムレット」序」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/nu06/nu06_09304_a025/index.html も草稿じゃなくて入稿原稿。「割付」を助ける活字サイズのスタンプが作られ押されてあるにも関わらず、ぜんぶ取り消し線で消しちゃった上で欄外に「8ポ十二行」。「タテ三寸八分/ヨコ二寸五分/のうちに/組む」(という版面の指定)。

https://x.com/uakira2/status/941656814059274240

そうか、島村抱月文稿三種 http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko14/bunko14_a0118/index.html の「墨書」は、後年の秀英舎が「(名前)一文字のハンコ」で文選工の責を示したように、これ、文選工のサインか!!
(「くま」さんとか「吉川」さんとか…)
(「日曜付録」としての初出紙は何だろう???)
https://x.com/uakira2/status/941665965057511424

久米邦武「南洋群島の交通を論ず」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/tsu01/tsu01_03987/index.html 入稿原稿の右上隅に記された編集者の朱書「一寸二分四分」は、何の指示書きなのだろう。掲載誌を見れば分かるだろうか。また「東京榛原製原稿用紙」(罫紙)http://haibara-shop.jp/?pid=31598145 という類のDB注記がこれに限って欠けているのは何故?

https://x.com/uakira2/status/941765374202101760

山田美妙「武者魂 : 戦国時代 [草稿断簡] 」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko14/bunko14_a0049/index.html の余白に大書されている「墨書」(←DB注記されてない)も(東京)国文社の http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/888374/75 文選工の名を記したものと考えて良いだろう。
https://x.com/uakira2/status/941768788147441664

「原稿」の語を含まない「草稿」の検索を始めてみたら、まず山田美妙「滑稽妙な術」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he14/he14_04407/index.html に行き当たった。これは大学館 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/886394/4 の編集者が記した割付か、はたまた微妙によるものか。何れにせよ「入稿原稿」である。


https://x.com/uakira2/status/942011570627809280

(←「微妙」じゃなくて「美妙」)
はしがきの朱囲いは囲み罫の指示で、本文(第一ページ)上部に朱線が引かれているのは、本文の上部に罫線を引く指示、ということになるようだ。章番号は「4ゴチ」(四号ゴシック)。著者名は四号(明朝)。四六判、本文十二行三十七字詰。


https://x.com/uakira2/status/942012555001597954

早稲田古典籍DBを斜め見した限り、山田美妙の「入稿原稿」には罫紙(原稿用紙)を使ったものと無地の紙を使ったものの二種類があるようなのだけれど、この用紙の違いについて選択の意味の有無を記すような先行研究はあるのだろうか。CiNiiでは見つからなかった(←たぶん鍵語の選択が悪い)……
https://x.com/uakira2/status/942014192717926400

大西祝歌稿」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/nu06/nu06_09206_b025/index.html の「一部朱書」が(一部読めてないけど)とても面白い。「歌集の部は一枚だけ見本として/十四行 と 十六行/とにくみ試みに〓〓(十四行〓〓あまりに行間/あき過ぎるやうに見ゆ/れば)」と、五号四分アキで行間全角のもの(十四行)と…

https://x.com/uakira2/status/942171018340155393

…行間二分四分のもの(十六行)を作って比べてみた結1頁16行とした模様。「歌集」は割付通り二号、「明治十七年前の歌ども」も同じく四号活字で組まれているけれども「和歌」が二号ではなく四号になっているのは、割付指示の見間違えか、ゲラを見て変更したものか、さて。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/752757/352

https://x.com/uakira2/status/942171988784685056

山崎紫紅〈『歌舞伎物語』のこと : [草稿] 〉http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko14/bunko14_a0188_0018/index.html に「一部朱書」の注記がないけど、余白の朱書数字は各々の初出誌の掲載頁を示すもので6コマの〈改行〉記号も掲載誌において頁が改まる箇所を示した内容、つまり「入稿原稿」なんじゃないだろうか。初出は不明のままなんだろうか。
https://x.com/uakira2/status/942176011147292672

徳田秋声「ゆく雲」http://wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko14/bunko14_a0030/index.html の「朱書入」には、第一ページ右上「カット」指示の他、下部に新聞連載ならではの記述があるような気がする。掲載面・段に関係するのではないかと思うが、この「入稿原稿」と突合せてみないとよく分からない。なお、掲載誌は「三六」ではなく『二六新報』。

https://x.com/uakira2/status/942180927760842752



以上は「入稿原稿の「組方指定」または「組版指定」の歴史を眺める」(2018-01-06)からリンクしていたモーメントを元ツイート履歴から再構成したものです。