日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

VistaなMSゴシックの微妙な字形変更

新しい噂話。
新MS明朝に見られず新MSゴシックに見られる字形変更には、壄[U+58C4](矛を予に変更)や孼[U+5B7C](幸を辛に変更)のやうに誤字を訂正したものの他、伀[U+4F00](“ハ屋根”を“八屋根”に変更)や弡[U+5F21](“新字”の巨を“旧字”の巨に変更)のやうにMS明朝のデザインに合はせてデザインを修正したもの、惞[U+60DE](接触してゐた立心偏の“心棒”と左の点を離す)や蕓[U+8553](接触してゐた草冠と雨冠を離す)のやうに点画を明確化したもの――などが見られるといふ。
この中に1つ、MS明朝に合致する方向の変更だが、JIS X 0213:2004との兼ね合ひで疑問がつく可能性がある字形変更があったさうだ。http://d.hatena.ne.jp/uakira/20050908で触れられてゐる「殩[U+6BA9]」が、0213例示字形から0212例示字形に変更されてゐたといふのだ。0212字形を優先といふ方針があるのだらうと想像されるが、本当にそれで良いのか、改めて疑問を感じるところだ。
また、MS明朝から離れる方向でかつ規格票例示字形からも離れる方向の変更が、「蠅」の字にあったといふ。“臼”を貫く形だった旁が、“日”を貫く形へと変へらってゐたさうだ。この変更の理由は全く謎。