日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

平野活版が明治6年に使っていた美華書館のSmall Pica Japanese(五号仮名)

美華書館のSmall Pica Japaneseの姿は、宮坂弥代生「近代日本の印刷業誕生前史 ガンブルの講習と二つのミッションプレス」(『書物学』15巻〔勉誠出版、2019、https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=101002〕)に掲載されている活字見本で確認できます。『聚珍録』刊行の頃にはまだ宮坂氏の調査が知られておらず、「本木-平野五号仮名第一次型」であるものと扱われていました。

宮坂氏が発見された1867年(慶応3年)の見本帖より時代は下りますが、オーストリア国立図書館所蔵の1871年明治4年)版見本帖「Specimens of Chinese, Manchu, Japanese and English type, from the type foundry of the American Presbyterian Mission Press」がGoogleブックスとしてウェブ資源化されていますhttps://books.google.co.jp/books?id=P7ZmzGWe8VAC&pg=PP9#v=onepage&q&f=false

美華書館のSmapll Pica Japanese(宮坂弥代生氏のコピーより)

東北大学附属図書館所蔵の『東京日日新聞』原紙をコピーして、そこから「本木-平野五号仮名第一次型」の見本を私製してみたことがあるのですが、なるほど確かにこれは美華書館のSmapll Pica Japaneseだと理解わからされました。

明治6年の『東京日日新聞』に基づく「本木―平野五号仮名一次型」見本