日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

濁点つきの漢字

濁点つきカタカナ井の件に、T先生からメールを頂いた。己は濁点がつけばカナ(漢字に濁点はつかない)と思ってたんだども、近世日本語文書では「高声゛」で「カウジャウ」と読ませる例などが珍しくない由。
すげえぜ日本語!!
残念ながら、九州大学附属図書館「日本古典籍画像データベース」の古活字版太平記で「頼員《よりかず》回忠《かへりちゆうの》事」の段にある

「日本一《につぽんいち》の剛者《がうのもの》、謀叛に与《くみ》し自害《じがい》する有様見置《おい》て人に語れ。」と高声《かうじやう》に呼《よばはつ》て、太刀の鋒《きつさき》を口に呀《くはへ》て、櫓より倒《さかさま》に飛落《とびおち》て、貫《つらぬかれ》てこそ死《し》にけれ。

のあたりを眺めても、濁点つき「声」の活字ではない模様。ふりがなにも濁点は無い。
http://mars.lib.kyushu-u.ac.jp/rare/taiheiki/01_027.jpg
筆で書かれた太平記宇治拾遺物語なんかに出てくるんだべか、濁点つき漢字……