作文と乗り物が大好きなウチの野郎ッコ(来週満三歳十一箇月)、線路と「0系新幹線」の絵を描いた余白に「ジョキキカンシャ5000円」と書き、「あれ、ジョーキじゃないや」とボケツッコミを入れて訂正し、己の方さ向かって「蒸気機関車五千円」と言ふ。
「安いねえ」と言ふと、紙面の左端に「5」を書き、右端に「円」を書くスペースを残して大量の「0」を連ねていく。
「オトーサン、これ」と示された作文は、「ジョーキキカンシャ50000000000000000円」。
「ゴキョーエンじゃ誰も買えないよ、高すぎるよ」と言ふと、新鮮な「位」である「5キョー円」の響きが余程面白かったらしく「5キョー円」「5キョー円」とひとしきり繰り返した後、新たな値札を作る。
「じょうききかんしゃ50円」。
今度は安すぎです。
書き順はメチャクチャだけど「円」の漢字も自主的に使へつつある、数字大好き作文大好きな野郎ッコ。『石井式漢字教育革命』ば眺めつつ、日常世界を平仮名カタカナでバンバン表現できてしまふ前に沢山の漢字と触れ合はせるべきだったかと少しばかり後悔しないでもない贅沢な休日の己だ。
