日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

街角の誤字と年長さんの漢字力

三歳の頃に日常生活の中で自主的に「出口・入口」を覚えてしまったりしてゐた現在満五歳三箇月であるウチの野郎ッコのために、野郎ッコが満三歳十箇月の頃に読んだ石井勲『石井方式漢字の教え方――3歳児から6年生までの指導法』(学灯社、1969年)さ感銘を受けた己、宮下久夫の『漢字がたのしくなる本 1――101字の基本漢字』(改訂版、asin:4811805410)や『分ければ見つかる知ってる漢字』(asin:481180659X)などにも感心しつつ、折にふれて「赤、青、白、黒」など書いてみせたり、せがまれて「一二三四五六七八九十百千万」ば教へたり、「日月火水木金土」「東西南北」「金銀銅鉄」等々、野郎ッコの語彙世界の広がりに沿って漢字世界へも誘ってみてゐた訳なんだども。
馬鹿親の己が買ひ与えてから暫く関心を示してゐなかった『下村式 小学漢字学習辞典』(asin:403920140X)、先日己が帰宅したら、落書き帳さやけにたくさんの人偏漢字を書き散らした野郎ッコが誇らしげに己さ向って「百八頁まで書いたんだよ、オトーサンの漢字字典よりスゴイ!?」と言って寄越した。
オトーサンは、君のことを、偏旁画数順に教育漢字が並んでるような面白くない字書の初めから順番に漢字を書き移して悦ぶやうなヘンな子に育てた覚へは無いんだどもなー。
そんな野郎ッコと近所のみやぎ生協のトイレに入って見かけたベビー椅子の注意書き。

野郎ッコ「こわれるためたちいりきんし?」
オトーサン「すごいねぇ、よく読めたねぇ。でも《たちいりきんし》じゃなくて《しようきんし》だよ。あとこっちは《ゆれるため》。ほら、ぐらぐらしてるでしょ。」
野郎ッコ「そうかあ」
オトーサン「あとね、《きんし》のところもよく見るとちょっと間違ってるみたいだよ。」
生まれ月の数箇月の差が人生の長さの大きな差であったり、個人差も勿論大きかったりする幼児期に、幼稚園といふ場で一律に漢字教育を実施することには躊躇ひや戸惑ひを隠せねぇ己だども、宗像コーチくらいキッチリとコドモと向かひ会ふなら、幼稚園のうちに教育漢字全部覚えるよーな育て方といふか育ち方といふのが普通にあり得るってことも理解の範囲に入ってきた己。
ひょっとすると、満五歳を過ぎる頃になる子は漢字世界に飛び込む準備が整うのか?
字書を端から順に書き写す遊びはあれっきりのやうだども、まぁ気長に観察し続けっぺといふ決意ば再確認。