日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

新MS明朝と人名漢字の字形

JIS X 0213:2004で例示字形が変更さった168字種以外でも新旧MS明朝間で字形が変へらったものがあるっつう噂ば先日来綴ってゐるんだけっども、また新たに168字種以外での変更が見つかったさうだ。
噂によっと、従来からの人名漢字である「燿」の字形が、戸籍統一文字番号219850のもの(旁の上部が旧字の羽の形)から220050のもの(旁の上部が“ヨヨ”の形)に変更さったといふ。
新聞記事やらが「辻」だの「葛」だの「飴」だのの変更ばかり報じてゐるせいで“略体”が減って“字典体”が増えると単純に受け止めてゐる向きが多いやうだけっど、噂が事実だとすっと、事態はさう単純では無ぇ。
ちなみに、新人名漢字であって表外漢字字体表内漢字でもある「擢」は旁の上部が“ヨヨ”から“旧羽”に変更さってゐて、「櫂」は“旧羽”のまま変りなく、「耀」は“ヨヨ”のまま変りねぇさうだ。
「燿」も「擢」も、変更後の字形が戸籍統一文字情報による「子の名に使える文字」であるわけだけっど、何で人名漢字の一部だけ取り出して字形変更を行はうとするのか、その基準・理由がさっぱり見えて来ねぇ。また、「燿」は90JISで“略体”化さった字種だけっど、何で今頃MS明朝についてかういう字形変更をするのか判らねぇ。