日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

補助漢字の“米舛”

久しぶりに補助漢字をがっつり眺め、一年余り前に「http://dosei3.no-ip.org/~uakira/n/?date=20040613」のリンク先文書をまとめてゐた頃のことを思ひ出しました。
補助漢字には、「隣」の旁である“米舛”が旁となってゐる文字に、「僯(U+50ef)」「嶙(U+5d99)」「撛(U+649b)」「橉(U+6a49)」「潾(U+6f7e)」「璘(U+7498)」「驎(U+9a4e)」があります。規格票の平成明朝体を見ると、“米舛”の“ヰ”について、http://www.asahi-net.or.jp/%7Esd5a-ucd/freefonts/WadaLabKit/jointdata/wi.pdfで言ふ「かぎヰのじ」(康煕字典型)のものと、「えるヰのじ」(諸橋大漢和型)のものが混在してゐると判ります。
例によって『明朝体活字字形一覧』を見ると、「僯」「嶙」「驎」の康煕字典字形と活字実装字形は「かぎヰのじ」で一貫してをり、諸橋大漢和だけ「えるヰのじ」で一貫してゐます。
平成明朝体が「橉」「驎」を「えるヰのじ」として他を「かぎヰのじ」とした理由は何でせう。
この混在のおかげで和田研フォントも混乱してゐて、「撛」「潾」「璘」を誤って「えるヰのじ」にしてしまったやうです。
ちなみにMS明朝は平成明朝体に完全に倣ってゐるやうですが、T-Timeの秀英太明朝は他の表外字同様諸橋大漢和型で一貫してゐます。