日本語練習虫

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大橋佐平の『北越雑誌』は博聞社が刷ったらしい

坪谷善四郎『大橋佐平翁伝』ば眺めてゐて、郷里で出版を始めたころに出した北越雑誌について、かう書かれてゐた(五二−五三頁)。

翁はまたその頃独力で、毎月三回発行の北越雑誌というを発刊せしが、その体裁は東京において、その頃好評の花月新誌に倣い、唐紙四六判和装で、長岡町石内の人藤野友徳が編輯を主宰した。藤野は春桂と号し、漢文学に造詣深く、また軟文学も長じたる故、その得意の軟文や、狂歌等を掲載し、西南戦争の頃ゆえ、戦争記事も掲げ、印刷は東京銀座の博聞社へ注文した。その雑誌は継続すること二年で廃刊したが、これが翁の雑誌を発行した濫觴である。

明治十年に出されたといふ北越雑誌、明治新聞雑誌文庫には九冊あるといふので、例の「四号仮名」をチェックしてみるためにいつか見ておきたいとメモしておく。