日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

昭和15年5月21日に「日本文化史展覧会」を見た矢部貞治

矢部貞治日記、銀杏の巻より。

五月廿一日(火)晴
上野でやってゐる東京朝日新聞の「日本文化史展」がもう明日終るといふので一度是非一瞥して置きたいと考へ、今日は朝からそちらへ行く。凡ゆる部面でいゝものが出てゐた。中で中食を喰べ二時頃出て来た。
上野の下でコーヒーを一杯飲み、研究室に帰る。昨年貰った勲六等の「勲記」といふものを頂戴したが、ひどく厳粛なものだ。

徳永直において、印刷史に関する不備への不満が『光をかかぐる人々』執筆動機となった「日本文化史展覧会」も、一般的には、「凡ゆる部面でいゝものが出てゐた」といふ感想になる。