日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

○○雲のコドモ

うんちやおならなどの語句が大好きなコドモなら歌はずにはゐられねぇだらう、「ロンドン橋落ちた」の節で“アルゼンチンのコドモ”を唱える歌、満四歳九箇月となったウチの野郎ッコに教えた犯人は、“幼稚園の誰か”ぢゃなくってオトーサンの己ですゴメンナサイ。
寝る前に『こっきえほん』と『アフリカのたいこ』をセットで己に読ませるのを楽しみにしてるよーな野郎ッコで、目覚まし時計代はりのおならを態々オトーサンの顔の前に尻を突き出して「ブッ」とやりたがるよーな野郎ッコに、この歌を教えずにはゐられねーぢゃないですか。
築地二号細仮名と前期四号を手本に“幼児仮名”化した骨格で××系の肉付きに仕上げてみっぺと思ってゐる秘密仮名のスケッチで、「ふな」「あゆ」「ぬれる」の次の字種が「おしり」「から」「まがる」「うんち」なのは、四割は己がキャラクターイメージの獲得に必要な字種を選んでますが、六割は野郎ッコのリクエストですゴメンナサイ。
校正紙の裏に「お」と書く己の筆先をものすげーキラキラした瞳で見つめながら「し、り」とか言ふ野郎ッコのリクエストには逆らえねーぢゃないですか。
朝食時に一緒に観てゐるテレビの天気予報情報を「オトーサン、今日は晴れだって」とか復唱報告してくれる野郎ッコなんだども、『おいしい酪農牛乳』のパッケージば眺めながら「おいしい牛乳ぢゃなくて、何この漢字、ぎゅーにゅーは読めるんだけど、おれこの漢字読めないよ、オトーサン、これ何て漢字?」と尋ねる野郎ッコさ「これはラクノウっていふ漢字」と教えつつ、天気予報ブームに乗じて「晴れ」「雨」「雲」「曇り」類の漢字も教えてしまふついでに“○○雲のコドモ”バージョンの歌詞も吹き込んでしまひたいといふ欲望に囚はれる己。
えーと、語呂が良くてコドモにもカタチが判りやすくて晩秋から初冬に良く見えるっていふと……、乱層雲? 巻積雲?
高いビルに強い関心を示してて「最上階」とか「地下」なんかの語句にも馴染みつつある野郎ッコの漢字学習の観点だけ考へれば「高層雲」なんだども、高層雲って、幼児的な大人つまり己の観点からすっと「曇り空」ではあるけど雲っぽくないんだよなー。
自分がコドモの時に実際に歌ったと確信が持てる“○○雲のコドモ”バージョンが記憶にないので、困ってゐるオトーサンの己。
「ゆきぐも」「うろこぐも」ぢゃなくて「らんそーうん」「けんせきうん」とか言っちゃうのはコドモっぽくないから、やっぱり“○○雲子”ば吹き込むのは止すか……。