満五歳五箇月となったウチの野郎ッコなんだども。
物心ついたときから時計やカレンダーなど数字が書いてあるものが大好きで、漢字に興味を持ち出してからは「月火水木金土日」を書けるようになったと言っては喜んでゐた。
幼稚園のオトモダチの影響で特撮ヒーローに興味を持ち出し、年長さんとなった今春から突然日曜の朝、早起きするようになった。
お風呂の時間になると、浴室の曇った鏡に向かって「イッピツソージョー!」と叫んで「火水木土天」を書いて喜んでゐる。最近は「金」も仲間に入った。
特撮ヒーロー物に関連するオモチャは買ひ与えないことにすっぺと考へてゐた妻と己なんだども、ついに仮面ライダーディケイドの一番安い食玩ソフビ人形をオカーサンに買ってもらひ、大喜びの野郎ッコ。帰宅した己さ向って…
「ねぇねぇオトーサン、ディケイドって知ってる、ディケイド?」
「あ、買ってもらっちゃったんだ、カッコイイねぇ」
「へへーー」
得意げな野郎ッコ、仮面ライダーディケイド人形の肩関節を回しながら…
「オトーサン、リューキヒビキって知ってる、リューキヒビキ?」
「知らなーい」
「仮面ライダーなんだよ、リューキヒビキってねぇ、めちゃめちゃ強いんだけどねぇ、怪物になっちゃうんだよ」
「へぇぇ」
平成ライダーには全く無縁の生活を送ってきた己だ。
「アギトって知ってる、アギト?」
「知らなーい。オトーサン、アマゾンなら知ってるよ、仮面ライダーアマゾン!」
「えー、そんな仮面ライダーあるわけ無ぇだろ、アマゾンは本屋さんぢゃねぇかよ!」
「違ふよ、仮面ライダーのアマゾンってのがゐたんだよ」
「そんなの無いよ! ――T君が言ってたもん、デンオーでしょ、ファイズでしょ、……」
先週まで「青いからシンケンブルーが好き」とか言ってたくせに、運動靴を買いに行ったら赤地に黒と金のラインが入った靴にまっしぐらだった野郎ッコ、さうか、幼稚園のライダーブームに乗っかっちゃったのか。
みんなかうしてオトーサンよりオトモダチを優先するよーになるんぢゃのぉ…。