満四歳五ヶ月の野郎ッコなんだども。
「お父さん」と書かうとして、どうしても「お尣さん」(U+5C23)になってしまひ、自分でも何かが違ふことが判って「あれれ、おとうさんってどうだっけ」とオトーサンの己さ尋ねてくる。
鉛筆を持つ野郎ッコさ手を添えて「父」ば書いてみせてやるんだけっども、いざ独力で書かうとすると今度は「介」みたいになってしまひ、交差する線分のコントロールに苦しんでゐる様子。
いつも帰宅が遅い己あてのプレゼントである、(多分)己が車に乗って会社から家まで早い時刻に急いで帰ってくる様子ば描いた絵には、「おとうちさんへ」と書いてあった(「ち」の取り消しはバッテン)。
「さ」の字ば二画で書くのは、さういふ印刷文字さ慣れ親しんでっからで、「ち」と書き間違ふのも、二画の「さ」さ目が馴染んでっからなんだべな。