博聞社の四号平仮名活字に関連する調査ば鈍鈍と進めてゐる関係で、うさぎ屋こと望月誠が手がけた出版物さ、初期本様仮名の混沌と豊穣が記されてゐる状況に出会った。
びっくらこいて目は眩み動悸息切れ甚だしく、詳細な検討はまだまだこれからなんだども、思誠堂が明治十一年〜十三年頃に出した出版物で四号平仮名を用ゐたものば眺めっと、和様仮名と築地体前期(本様)四号仮名、仮称博聞社四号仮名、印刷局四号仮名(ひょっとするともう一系統の四号仮名)が同じ頁さ混在してゐるらしく見える。
そんなわけで、思誠堂の出版物の印刷についての情報ば、激しく希求する己だ。
思誠堂うさぎ屋誠(兎屋誠)こと望月誠についての研究は、石塚純一『「うさぎ屋誠」考:明治初期のある出版人をめぐって』の他に何かあるんだべか。
また、近代デジタルライブラリーではキーワード「思誠堂」「うさぎや誠」「うさぎ屋誠」「兎屋誠」「望月誠」で、重複を含みつつも各々に固有の検索結果が得られるんだども、他に考慮すべきキーワードは無いんだべか。(三省堂『ぶっくれっと』148号の山口仲美「日本語草子 8 本の広告表現について(上)」には兎屋誠が「天狗書院」なる出版社名でも出版活動をおこなってゐたといふ記述があるんだども、OPACの検索結果に拠る限り国会図書館に天狗書院の出版物は所蔵されてゐない。)