矢作勝美氏が「改訂」中だった『明朝活字』(平凡社)の新版『明朝活字の美しさ』(創元社)の内容データが近刊情報に上がった*1ので、『明朝活字』の目次データを入力して比べてみることにした。
矢作勝美『明朝活字』(平凡社) | 矢作勝美『明朝活字の美しさ』(創元社) |
一 はじめに ――なぜ明朝活字をとりあげるのか | 一 はじめに |
二 近代的活版印刷の成立 1 近代的印刷とは何か 2 本木昌造による活版製造の開始 3 長崎新街活版所から東京築地活版所へ 4 秀英舎の創業と『印刷雑誌』 (1).秀英舎の生いたち/(2).佐久間貞一による『印刷雑誌』の創刊 5 官営印刷出版の系譜 (1).蕃書調所から印書局の創設/(2).印書局の活字販売攻勢 6 一つの画期を迎えた活字の製造販売 7 東京活版印刷業組合の設立 |
二 日本の活版印刷はどのようにして興ったのか 1 近代活版印刷とは何か 2 本木昌造鋳造活字と出逢う 3 本木昌造による活版技術の導入 4 ガンブルが長崎に伝えた活版技術 5 新街活版所の創業から築地活版所へ 6 官営印刷出版の系譜 1.蕃書調所から印書局の創設/2.印書局の活字販売攻勢 7 一つの画期を迎えた活字の製造販売 8 秀英舎の創業 |
三 活版印刷の普及発展 1 木版から活版になった新聞の諸様相 2 印刷所にみられる受注の特徴 3 「県御用」新聞の発行と活版の普及 4 明治初年の出版事情と翻訳書出版 5 教育制度の確立と教科書印刷 (1).文部省による教科書の自主選択自由使用のすすめ/(2).印刷出版活動にあたえた学校教育の影響 |
三 活版印刷の普及を支えた社会的背景 1 木版から活版になった新聞の諸様相 2 活版になった新聞の明朝体 3 「県御用」新聞の発行と活版の普及 4 明治初年の出版事情と翻訳出版 1.明治初年の翻訳出版とその役割/2.東京大学の英文翻刻出版/3.東京師範学校の創立と教育書の翻訳/4.法律書翻訳における時代の要請/5.「万国史」への渇望 5 教育制度の確立と教科書出版 1.文部省による教科書の自主選択自由使用のすすめ/2.印刷出版活動にあたえた学校教育の影響/3.検定制から教育の中央集権化へ 6 木版を陵駕した活版の指標 7 佐久間貞一『印刷雑誌』を創刊 |
四 活字とは何か 1 和文活字の種類 2 活字書体の種類と特徴 3 字体と書体について 4 書体形成と漢字 5 種字彫刻による書体形成 6 ベントン彫刻機による母型製作 7 活字の鋳造と組版 |
四 活字とは何か 1 和文活字の種類 2 活字書体の種類と特徴 3 活字の字体と書体について 4 書体形成と漢字 5 種字彫刻による書体形成 6 ベントン型彫刻機による母型製作 7 活字の鋳造と組版 |
五 明朝活字の導入とその発展 1 揺籃期における明朝体の諸様相 (1).本木系初期の明朝体/(2).印書局初期の明朝体/(3).印書局の分合活字/(4).『学問のすゝめ』にみる印刷の変遷/(5).『改正西国立志編』その他にみる本木系明朝体/(6).活版になった新聞の明朝体/(7).明朝はなぜ活字書体に選択されたか 2 築地活版所の第一次第二次改刻とその成果 3 明朝活字の源流中国・美華書舘 4 印刷局の第一次明朝体改刻 5 明朝体改刻の要因とその社会的背景 6 印刷にあらわれた明治初期の言論規制 |
五 明朝活字の改刻による発展への苦心 1 明朝活字の源流 上海・美華書館 2 美華書館の明朝活字 3 活字の倍率関係による多彩な表現 4 揺籃期における明朝体の諸様相 1.本木系初期の明朝体/2.官営印刷の初期明朝体/3.官営印刷の分合活字/4.『改正西国立志編』における活字表現の苦心 5 美華書館の力を借りて進められた築地活版所の第一次改刻 6 印刷局の第一次改刻と『官報』体制の発足 7 築地活版所の第二次改刻を推し進めた人たちとその成果 8 印刷にあらわれた明治初期の言論規制 |
六 明朝体における二大潮流の形成 1 築地体 2 秀英体 3 築地、秀英体にみられるその特徴 4 明朝体に抗しきれなかった清朝体 |
六 明朝体の二大潮流とその魅力 1 築地体 1.築地体の第三次改刻とその成果/2.第五次改刻によって築地体完成 2 第三次改刻を経て秀英体完成 3 築地、秀英体にみるその特徴 4 明朝体の生命力とその魅力 5 明朝体に抗しきれなかった清朝体 |
七 近代文学の成立と明朝体 1 近代文学の意味と句読法の成立 2 句読法にあらわれた中国・美華書舘の影響 3 近代文学にみるタイポグラフィの発達 |
七 日本近代文学と明朝体のタイポグラフィ 1 近代文学の成立とその影響 2 文学の改革と句読法 3 括弧類の役割とその組版 4 近代文学にみるタイポグラフィの発達 |
八 築地体、秀英体以降の展開 1 ポイント活字 2 築地、秀英体以後の明朝体 |
八 和文活字の可読性とその研究成果 1 日本人の美意識が反映した活字書体 2 可読性研究の系譜 3 近視予防で始まった教科書の可読性 |
九 写植の誕生 | 九 築地、秀英体以降の展開 1 新聞が先導したポイント活字 2 築地、秀英体以降の明朝体 1.大阪活版製造所/2.博文館印刷所から共同印刷へ 3 大正から昭和への移り変り 1.大正期の築地、秀英体/2.今井直一と三省堂の書体改革/3.凸版印刷、文字印刷へ始動/4.精興社タイプ 4 昭和十年代の細型明朝と築地活版所の解散 |
十 和文活字の可読性とその研究成果 1 可読性研究の系譜 2 各種研究の成果 3 残された課題 |
十 昭和の戦争がもたらした印刷出版界の惨状 1 国家統制下の出版文協と日本出版会 2 印刷文協設立経過に疑念と不安の応酬 3 活字の規格統一と変体活字廃止問題の顛末 4 同業組合機関誌『時報』にあらわれた戦争への道 5 指導層と対照的な同業組合員の声 |
十一 明朝活字の現状 1 今日の明朝活字 2 活版・写植における明朝体の普及状況 (1).新しい書体創造のための基礎調査/(2).明朝体に寄せられた意見と希望 |
十一 戦争から解放された明朝活字 1 自由な言論表現活動の出発 2 明朝体の整備を促した国語改革 3 戦後活版の全盛を準備したもの 4 ベントン母型による文字印刷の活気 5 活版全盛を廃絶へ導いた構造改善事業 |
十二 文字組版のデジタル化と明朝活字 1 文字印刷のデジタル化と活版の終り 2 一九八七年デジタル文字組版の現状 3 コンピュータ組版による年度版出版の現在 1.岩波書店『広辞苑』/2.有斐閣『六法全書』/3.出版ニュース社『出版年鑑』 4 電算写植からDTPの時代へ 5 パナソニック、シャープ新書体の開発 6 デジタル書体改革のために |
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十三 日本語をあらわす文字言語 | |
あとがき | 資 料 1 漢字出現頻度調査と表外漢字 |
2 明朝活字書体一覧 | |
年表 | 年 表 |
索引 | 索 引 |
あとがき |