日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

ケータイ読書端末

狩野さんの「作業メモとか考えたこととか」2008年7月10日付の記事「万巻の書を懐に、街に出よう」ば眺めながら。
狩野さんの記事にある通り、300ppi/dpiってのは日本語を表示するデバイスにとっての大きな転換点のひとつで、20年ほど前、パーソナルワープロがこの壁を越えた時に広告中で「文字の美しさ」を売り文句にするようになった。
1986年頃に24ドット時代から一歩先へ進んだ220〜240ppi程度(10.5ポイント32ドット角)のブラザー“ピコワード”が24ドット角製品と比べて大幅には美しくなってゐなかったのに比べ、Macの世界からやって来た300ppiのLaserWriter(レーザープリンタ)*1や、90年代に入って登場した360dpiスケーラブルフォント搭載の東芝“ルポ”などは、別次元の新世界を我々に見せてくれた。

ところで、個々の文字が精細に表現できるといふことの他に、読書端末としては表示できる文字数・行数も重要と、己は思ってゐた。狩野さんの記事中で触れられてゐる、己が液晶のppiば計算した頃(http://dosei3.no-ip.org/~uakira/n/?date=200502)に、7インチフルHDパネルが世界を変えるハズっていふ考えを持ってたハズなんだけどどっかにさういった話ば書かねがったっけかなぁと十日ばかり思ひ出せずにゐた己なんだども、ザキンコさんとこの日記さコメントしてゐだったと判った。
http://d.hatena.ne.jp/zakinco/20060308
対角7.3インチくらいのフルHDパネルってのは、翻訳すっと、「文庫や新書くらいのサイズの1ページが300ppiで表示できる」ってこと。
文庫の見開きとは言はねぇどもせめて1ページ分はひと目で見渡せねぇと読書に集中できねぇんでねぇべか、と思ってゐる己。
――だったんだども、イワタ中明朝オールドがインストールされてたりダウンロードフォントとして選べたりするオーバーWVGAのケータイが出たら買ひ替えちゃうかもしれねぇ。
青空文庫形式のテキストを縦書きでレンダリングできるブラウザかビュアが入ってたりしたら、間違ひなく買っちゃうね。
あんな見本作るなんて非道いや狩野たん。

*1:300dpiのレーザープリンタがスゴい代物だといふことを実感させてくれたのが、戸田ツトム『森の書物』だった。