片塩二朗様
前略
貴ブログいつも楽しみに拝読いたしております。昨年「タイポグラフィあのねのね*010」でご紹介のあった江川製Albionが今年の活版凸凹フェスタに実機展示になるのだろうかとドキドキしながら案内を拝読し、それらしい言及が見当たらないことを少しばかり残念に思っていました。
ところが先日の活版凸凹フェスタ・レポート03とレポート04によると、ハワイで稼働中の江川製Albionが写真参加になるとの嬉しいニュース!
貴殿がレポート03〜04に記しておいでのように、江川活版についての資料は実に乏しく、私も三谷幸吉調査の『本邦活版開拓者の苦心』と牧治三郎『京橋の印刷史』をどのように乗り越えていくか、苦慮しておりますが、新聞縮刷版を丹念にあたることで幾つか彼らの記録に書き足したり補正したりといったことが可能になるという見通しを持てるようになってきています。
以下に、私のささやかな調査を記しておきます。
特に江川次之進が「印刷機の広告を出し続けている」様や、所在地の変遷などの状況についての良い記録となっているものと存じますので、ご高覧いただければ幸いです。
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明治十六年四月七日付『時事新報』の「文昌堂」広告：
明治十七年十一月二十日付『時事新報』の「江川次之進」広告：
明治十八年五月十六日付『時事新報』の「文昌堂」広告
明治十八年十一月四日付『時事新報』の「文昌堂出張 江川次之進」広告：
明治十九年六月十九日付『時事新報』の「江川活版所」広告：
明治二十年五月三十一日付『時事新報』の「江川活版所」広告：
明治二十年十一月十九日付『時事新報』の「江川活版所」広告：
明治二十年十二月十二日付『時事新報』の「文昌堂」広告：
明治二十一年五月十四日付『時事新報』の「活版製造所文昌堂」広告：
明治二十二年九月十八日付『時事新報』の「江川活版製造所」広告：
明治二十三年三月二十日付『朝野新聞』の「江川活版製造所」広告：
明治二十五年十二月七日付『朝野新聞』の「江川行書活版製造所」広告：
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末筆となりましたが、活版凸凹フェスタ2012のご盛況をお祈り申し上げます。
内田明拝
