過日、仙台駅前イービーンズの古本まつりで、『中村汀女・星野立子 互選句集』(昭和22年、文藝春秋新社)を購求した。とある12ポイント活字を使った印刷物が教科書系のコーナーあたりに無いだろうかと期待して出かけて見いだせなかった中、なんとなく気になって手にしてみたものだ。
期待した12ポイント活字が本文に使われていた。
奥付に記された印刷者は、大日本印刷だ。昭和22年4月10日印刷、同15日発行となっている。
この直彫時代の12ポイント明朝活字は、大日本印刷に保管されている『主要活字見本帖』(昭和23年)に1行見本の形で掲載されているものくらいしか「公式」の活字見本が知られていなかったもので、ある本の「活字書誌」のために典拠を探し求めていたものだ。
句集なので、きちんと精査すれば、ひらがなの多くの字種を確認することができるだろう。とてもいい資料と出会えて幸せだ。
以下12月13日追記:
ざっくりした目視によって使用文字種を拾い集めてみたところ、ひらがなは濁音・半濁音を除いてコンプリートできる状態(!)だった。カタカナも意外と多い。どうやら大当たり資料だったようだ。