日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

2010ねんのはうふ

まず河出書房版の徳永直『光をかかぐる人々』と、『世界文化』連載分を、定本化する。
Mac mini購入前の、自宅PC再起動不能時に取得した暫定マシン(中古ThinkCentre)にFreeBSD 8.0がインストールできなかったので、Editor's Work Benchの試用は依然として諦め中。暫定機はVine Linux 5.0マシンにしてEWBば入れてみる予定なんだども、そもそもEditor's Work ShopってOpenTypeフォントによる旧字組版が出来るのかどうか謎。
ともあれ、小川弘和さんによるSnow LeopardDrag & Drop pTeXにてTeXソースからPDFへの変換を行ふことに。
齋藤修三郎さんによるRubyスクリプトとスタイルファイル(青空文庫を読もう!)を活用させていただきつつ、TeXの勉強からスタート。
JIS X 0213外字である「舟走」については、この文字が左右合成型であることを活かし、「古典籍のためのTeX」にて原理が紹介されてゐる、raiseboxコマンドとkernコマンドに拠る古典的合字手法によって処理する。
いはゆる旧字化は、イワタオールド(AJ1-4)で無理のない範囲にする。右払ひ起筆の「ひっかけ」や「八屋根」などの変更は無視する。気づいた文字では《「柄」の「人」が「入」になるもの》など「AJ1-4外字」も底本にあるが、これも無視。――っていふつもりなんだども、字体・字形に関する考へは、まだ流動的。AJ1-5かAJ1-6にしたり、「ヒゲあり」を明示したりするかも。
……
定本化の見通しが立ったら、定本に注釈をつけていく。どの程度の分量になるか、やってみなけりゃわからない。
本文縦書き二段組みで進行するんだども、脚注を見開きの左頁下段に集めることができるのか否か、TeXを勉強する。スタイルファイルの情報熱烈歓迎。
ホントは、『広告批評』最終号のインタビュー頁みたいに、「二・五段組」とでもいふやうな、段間のマージンを大きく開けて、そこに図や注釈を入れていきたいんだども、一段目の注釈と二段目の注釈を「段間」にまとめることが出来るのか否か、現時点では全く解らない。
底本の校訂に関する注釈は、章末か、第一部・第二部各々の末尾にまとめるつもりでゐるんだども、これまた流動的。
……
うっかり忘れてしまひさうなんだども、プロレタリア文学史ではなく自称日本語活字印刷史の野良研究者である己としては、研究史の概観を取りまとめておく必要がある。
徳永直『光をかかぐる人々』の注解といふ文脈においては、昭和十五年以前、昭和十六年〜二十三年、昭和二十四年以降、といった時代区分にならうか。
野良研究者なんで知らないんだども、既に誰かがどこかで研究史をとりまとめていらっしゃったべか。仄聞するところによると日本タイポグラフィ学会なんていふものがあるらしいから、当然、その周辺に於いて日本語活字印刷の歴史に関する研究の歴史は取りまとめられてゐるんだべなぁ。