日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

80年代の高橋留美子が新書体に貪欲だった話

己の記憶が確かならば、以前高橋留美子が何かのインタビュー記事で、連載マンガ掲載誌の扉絵に載せられるアオリ文句の書体や同じく柱に使はれる書体にアンテナを張り、編集担当者にあれこれ訊ねて自分のマンガの台詞などで新書体の使用を試みた――といった意味のことを語ってゐたと思はれ、「うる星やつら」から「めぞん一刻」までの時期のことだったとも思ひ、今その記事を具体的に探さうとしてゐるんだども、サッパリ手がかりが掴めねぇ。
他のマンガ家と新書体の使ひ手として競ってゐたやうな話もあったか無かったか、そのあたりは全く記憶に無い。
さしあたり、女性マンガ家のインタビュー集といってすぐに思ひつく米沢嘉博編『スピーチバルーン・パレード』(asin:430971174x)ぢゃないことは確か。高橋留美子が出てないから。
1980年代初期の少年誌ば眺めてっと、アオリ書体や柱書体がマンガ本文さ進出侵食していく様が観察されっから、さういった状況や何やかやの様々な材料ば己の無意識が勝手に組み合はせて、高橋留美子に象徴化した夢物語ば捏造しちゃったんだべか……。