日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

博文社だったり博聞社だったり

過日 http://d.hatena.ne.jp/uakira/20061226

島谷『印刷文明史』第五巻「本邦紙型鉛版術の起源及び発達」の項に博聞社の記述があり、確かにそこには博聞社のことを誤ったと思はれる「博文社」と社長の「長尾影潔」のことが十行程度記されてゐる。

と記した通り、明治十年代の「博聞社」といふ奥付がある書物ば見慣れった己は、島谷政一『印刷文明史』(二九四一ページ)の「博文社」といふ記述ば、一昨日までは「単なる誤り」だと思ってゐたんだっけけど。
日本出版学会・出版教育研究所 共編『日本出版史料 2』所収の稲岡勝「見立からみた明治十年代の出版界」さ紹介さってた同時代人によるふたつの見立、錦誠堂尾崎富五郎『諸品商業取組評』と清水市次郎『東京流行細見記』、このどちらも「博聞社」のことと思はれる対象ば、「博文社」と記しったと知って、ちょっとびっくり。
博聞社でも博文社でも「ハクブンシャ」には違ひねぇんだども、腑に落ちねぇ。