日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

アンチゴチと非漢字

マンガのフキダシに特徴的な混合活字セットである「アンチゴチ」について説明される際、「漢字がゴシックで仮名がアンチック」と言はれてゐるけれど。
プロの方々がフキダシの書体に「アンチゴチ」を指定する時、それは仮名以外の非漢字についての指定をも指し示すものなんだべか。それとも文字種毎に細かく指定しったりするんだべか。といふことが、今頃気になってきた己。
一般的にアンチゴチのフキダシ中では、電子活字の用語法で言ふと、アラビア数字やラテン文字はゴシック系フォントのものが使はれ、疑問符や感嘆符はアンチック系フォントのもの、長音記号の一種として使はれる通常の波ダッシュや細かい波の連続(名称不明)などはゴシック系、であるやうに見える。のだけれども、実際さういふ理解でいいんだべか。
あと、句読点、中黒、三点リーダ、長音記号の一種として使はれる長いリーダの他、多用される記述記号はあったべか。このセンテンスで挙げた記述記号は、「アンチ」だべか、「ゴチ」だべか。さうした区分を超越した存在だべか。
日本語の表記には、ギリシア文字やらキリル文字やらが入り込んで来たり、多種多様な記述記号が紛れ込んで来たりするけれど、何を「アンチ」にして何を「ゴチ」にすっか、一般基準はあるんだべか。出版社や印刷会社毎のルールがあったり、編集者単位や漫画家単位のルールだったりするんだべか。
秀英舎や築地活版は、明治末期に、どいなく処理しったべ。
拾ったマンガ雑誌を眺めているうちにかうした疑問に憑れて眠れなくなった夜、と日記さは書いておく。