日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

板倉文庫

『アイデア』に片塩二朗氏が連載中のタイポグラフィ時評、305号(http://www.idea-mag.com/cgi-bin/book/catalog.cgi?language=jp&item=306)の本文は欣喜堂「正調明朝」の組見本にもなってゐるわけですが、何と、板倉文庫の蔵書といふ、明治36年2月に出された製文堂『活版見本』の図版があるではありませんか。
かうした、今まで光が当てられてこなかった(と思はれる)資料を大量に活用した(と想像される)、片塩氏近刊『秀英体研究』、出版が待ち遠しい限りです。
府川充男氏が“第一次・第二次『印刷雑誌』、『印刷世界』も通読しないで活字史・印刷史が語れるか”といふやうなことを仰ってゐるけれど、これからは、「板倉文庫を見ずして活字史・印刷史が語れるか」と言はれる時代であるかもしれぬと思ったことですよ。