日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

すが秀実『日本近代文学の』

何が原因で昔読み通せなかったのか忘れたくても思ひ出せない絓秀実(すが・ひでみ)『日本近代文学の<誕生>』第一刷ば市民図書館から借り出してきて眺めつつ、2つの事に気づいた。
JIS X 0213:2000(:2004)の第三水準漢字(1面90区3点)である「絓(すが)U+7D53」なんだども、規格票ば見ても『増補改訂JIS漢字字典』ば見ても、「すが」の読みが出てゐない。とっても特殊な用例なんだべか。
といふ疑問がひとつ。
それから、二四ニ頁で、明治三三年の小学校令施行以降公式に「変体仮名」と呼ばれることになった仮名文字のことが「踊り字」と記述されてゐるのは、当該章が掲載さった『批評空間』第Ⅰ期第十号の時からそのままなんだべか。関係者や読者は誰も“それ踊り字ぢゃなくていはゆる変体仮名だから”って注進しねがったんだべか。
そこの用語(と凡例)ば直しておきさえすれば、以降を読む気がなくなったりすることはないのに、このおかげで同書の「フェミニティー」だの「ファルス」だのっていふ話が台無し。ってだけぢゃなくて『批評空間』関係の文芸批評が全部信用できねぇって気分になっちゃうよーな気がするのは己だけですか。さうですか。
増刷されたりしたんだべか。二刷以降では直さってたりするんだべか。