日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

同じ心ならん人と

先日「ミヌヨノトモヨ」に記した徒然草第13段「ひとり灯のもとに文をひろげて」云々の前段は「同じ心ならん人と」。
曰く:

同じ心ならん人としめやかに物語して、をかしき事も、世のはかなき事も、うらなく言ひ慰まんこそうれしかるべきに、さる人あるまじければ、つゆ違はざらんと向ひゐたらんは、たゞひとりある心地やせん。

たがひに言はんほどの事をば、「げに」と聞くかひあるものから、いさゝか違ふ所もあらん人こそ、「我はさやは思ふ」など争ひ憎み、「さるから、さぞ」ともうち語らはば、つれづれ慰まめと思へど、げには、少し、かこつ方も我と等しからざらん人は、大方のよしなし事言はんほどこそあらめ、まめやかの心の友には、はるかに隔たる所のありぬべきぞ、わびしきや。

岡澤研”で催さったといふ、「席亭の府川充男さん『聚珍録』を出版」記念の、同じ心ならん人々の集まり、実に素晴らしい笑顔の数々だっちゃねぇ。

来る6月4日に開催される刊行記念セミナー、ぜひ片隅で拝聴してぇもんだと切望するものの、諸般の事情が許さねぐって…、残念無念。

とは言へ、セミナーに集まる方々は実に濃密な方々なんだべなと予想されっから、仮に参加できたとしたって濃厚な話題に全くついて行かんねぇ東夷の私は、兼好法師が言ふのと違った意味で「たゞひとりある心地やせん」ことだべなと思ふんだけっどもね。