久々に「府川充男撰輯『聚珍録』(三省堂、2005)愛読者Wiki(暫定版)」の進捗に関する話題。
2016年時点の目標を修正し、個々の書目に関するコメントを捨象して簡易なリンク集を作成してしまうことを狙った作業を時折進めていたものを2021年5月5日付でいったん公開していたのだけれど。
その際、「国会図書館所蔵」とされているものの中に、単にデジタルコレクションで見つからないだけでなく、そもそも国立国会図書館サーチで見つからない資料が幾つもあることが改めて可視化されて頭を悩ませていた。
本日取り上げる、「魚名づくし半口合」も、そのひとつ。
これは『聚珍録』第一篇に図1-106として156頁に掲げられている図を、今回ようやく国会図書館デジタルコレクションから探し出したもの。
『聚珍録』第一篇本文148頁および註1150(365-366頁)では伴源平『魚名づくし半口合』(赤志忠七、明治14〈1881〉年。国立国会図書館所蔵)とされていて、これまで「魚名づくし半口合」だけでなく「魚名 半口」などと検索条件を工夫しても見つからなかった資料だった。
先ほど試みに「伴源平 1881」で見つかる資料3点の中身を順次確認してみたところ、伴源平『浪速みやげ』(赤志忠七、明治14〈1881〉年)の中に、当該の見開きが見つかった。
目次がデジタル化されるような造りではないので、私製しておく。
伴源平『浪速みやげ』(赤志忠七、明治14〈1881〉年:https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/898031)
- 新編童戯(しんへんどうけ)/往来商売(わうらいしょうばい)(2コマ)
- 百人一首一口噺(ひゃくにんいっしゅひとくちばなし)二編(3コマ)
- 江湖人情客眼(よのなかにんじゃうきゃくまなこ)(4コマ)
- なんでもかまわぬ/親玉(おやだま)づくし 二編(5コマ)
- 広告/太閤散/糠粕請売所/家康膏/攘丹/金貸圓/滑稽陳文局(6コマ)
- ⿱幼男才会(ぼんさいくゎい*1)(7コマ)
- 老記憶旧弊談(としよりじまんきゅうへいはなし)/浪速物識天狗(なにはものしりてんぐ)(8コマ)
- 智恵(ちゑ)くらべ考物(かんがへも)(9コマ)
- 何処(どこ)にも出(で)てない/新発明紹牌雛形(しんはつめいかんばんひながた)(10コマ)
- 不調法珍考記(ぶちゃうほふちんかうき)(11コマ)
- 新撰紋(しんせんもん)づくし(12コマ)
- 魚名(うをのな)づくし半口合(はんくちあい)(13コマ)
- 趣向(しゅかふ)ハ古風(ふるい)が/今様笑談(いまやうはなし)(14コマ)
- 浪華官寺無理問答(なにはみやてらむりもんどう)(15コマ)
- 謔言口合(おどけくちあい)/神事(じんじ)あんど(16コマ)
- 宏壮阪府他所無類(ひろいおほさかよそにるゐなし)/稀有稀例烈(けぶけれれつ)(17コマ)
- 新作後附(しんさくあとづけ)かづけがき(18コマ)
- 新作/なぞ〳〵春(はる)の六花(ゆき)(19コマ)
- 奥付(20コマ)
*1:⿱幼男〈上に「幼」下に「男」〉という構成の造字に「ぼん」というフリガナを振っている