日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

仙台における本屋さんの十年

青山ブックセンター閉店に触発されて仙台の本屋さん事情について語ってしまふ際、やはり年代記は「八重洲書房」の閉店からスタートしたい――、さう、オッサンの私は思ひます。文学、哲学、アート方面に強く、またインディーズ映画や演劇のチケットなども販売してゐた八重洲書房は、地下鉄南北線の開通に伴う仙台ビブレ(現さくら野百貨店)のリニューアルに併せて1987年にビブレ地下でリニューアルオープンし、その後1993年12月10日に営業を終了しました。翌日の河北新報に、惜しまれつつ閉店した様子が写真入りで紹介されました。

仙台駅前といふ商圏内での顧客の取り合ひ以前に、仙台市中心部の書店と、全国チェーンの郊外型書店・古書店との競争が激化してくるのも、この頃です。1987年8月に仙台の1号店を出した「ブックセンター湘南」が桜ヶ丘に2号店を出したことが、1995年3月14日の河北新報に記されてゐます。また、同年11月16日付河北新報は、地元家電チェーンがCD、ゲームソフト、書籍を売る複合型書店(中古も取り扱ふ)を泉区南中山に95年2月にオープンしたことと、1990年に仙台市内で33店だった古書店(「ブックオフ」や「ブックマーケット」など)が95年には69店舗になったことなどを伝へてゐます。

1996年7月、山形市に本社を持つ「八文字屋」が、泉区高玉町へ当時の東北最大規模の店舗をオープンしました。後に河北新報が伝へた宮城県書店商業組合のまとめによると、この年が同組合仙台支部の加盟店数のピークで、市内170店が加盟店だったさうです。

1997年には巨大店舗の出店が相次ぎました。9月にはザ・モール長町店オープンに伴ひ「紀伊国屋書店」が巨大店舗を構へ、11月には「ジュンク堂」が仙台駅前へ巨大店舗を出しました。

巨大書店の仙台参入を受け、1998年1月28日〜30日に、河北新報が『東北書店戦争』なる特集を記してゐます。また1998年1月24日の河北新報は、「金港堂ブックセンター」が同年2月末で仙台フォーラスから退くことを伝へました。

全国チェーンの大型店として、1998年(?)に太白区柳生で「ヴィレッジヴァンガードBASE」がオープンし、また1999年、ジャスコ中山店の増築に伴ひ「未来屋書店」がオープンしたことも記憶に新しいところです。

この他、全国規模でチェーン展開する大型書店としては、「宮脇書店」泉ヶ丘店、「ブックスなにわ」仙台中野店が、(私に記憶が確かならば)2004年現在まで10年以上健在ですが、出店時期は不明です。

1999年10月10日付での仙台駅前「協同書店」閉店と、同地にマツキヨが開店することについては、河北新報が9月23日に報じてゐました。また99年10月20日河北新報が、1986年に郊外型大型書店「ほんとぴあ」1号店を名取に出店した「高山書店」が、市内の不採算店舗6店を閉鎖し郊外型複合店「ほんとぴあ」2店をオープンしたことを伝へてゐます。

2000年4月には、仙台出身の店主が、児童書、文学、アート系古書店のブックカフェ「火星の庭」を青葉区本町にオープンし、2004年現在も健在です。

2000年8月には、地下鉄広瀬通駅そばに「あゆみBooks」がオープンしました。

2001年1月、せんだいメディアテークのオープンに伴い、館内に「ナディッフビス」がオープンしました。

2001年8月には、「ブックオフ」が仙台駅前KYビルに大型直営店をオープンしました。

2002年には、5月の「高山書店」民事再生法適用申請、8月の「丸善アエル店オープン、12月1日の「丸善」仙台一番町店閉鎖などがありました。

2003年の春には、e-honネットの加盟店で、独自企画のホームページが1998年10月29日付河北新報で紹介されてゐた「ゴリラハウス」が、閉店しました。

まだまだ見逃してゐる要素や数字で示すと面白いポイントなどがあると思ひます。