日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

幕末に池田草庵と松崎慊堂が「明朝」と呼んだ刊本字様

私たちがいま「明朝体」と呼ぶ活字書体(印刷文字の書体・字様)の日本におけるルーツは黄檗山萬福寺で天和元年〈1681〉に開版された鉄眼版一切経であると言われていて、この印刷文字書体は日本でかれこれ340年ほど使われています。天保壬寅年〈1842〉に校訂…

堀川貴司「漢籍から見る日本の古典籍」の代替図版リスト

2013年6月6日に開催された講演、堀川貴司「漢籍から見る日本の古典籍 ―版本を中心に―」の中に、自分にとってたいへん興味深い指摘があった。残念ながら実際の講演を拝聴したわけではなく下記の講演録を通じて知ったもので、漢籍を対象とする書誌学の考え方に…

引き続き生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話から筆耕の二人のこと

先日「生田可久が三村竹清に語った「明朝ほり」の話が竹村真一『明朝体の話』「三、書者名つきの明朝体」に伝わっているのだけれど」に記した通り、大正11年7月4日に生田可久が三村竹清に語ったという「明朝ほり」の話において「明朝風」の字を書く筆耕とし…

『聚珍録』第一篇に出てくる伴源平『魚名づくし半口合』が伴源平『浪速みやげ』中の一項目だったと判った正月

久々に「府川充男撰輯『聚珍録』(三省堂、2005)愛読者Wiki(暫定版)」の進捗に関する話題。2016年時点の目標を修正し、個々の書目に関するコメントを捨象して簡易なリンク集を作成してしまうことを狙った作業を時折進めていたものを2021年5月5日付でいっ…