日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

平尾剛『近くて遠いこの身体』のマティス縦かな

今頃になって、昨秋ミシマ社から出版されていた平尾剛近くて遠いこの身体』を眺める機会を得た。

近くて遠いこの身体

近くて遠いこの身体

本を開いた瞬間、明朝体なんだか教科書体なんだか微妙なスタイルの仮名文字に違和感を抱いてしまったのだけれど、よく見ると本文書体はフォントワークスマティス縦かなであるようだ。
マティス縦かなと、慣れ親しんだ本文書体のスタイルとの距離感が、「近くて遠いこの身体」というテーマに相応しい絶妙な組み合わせだと思われた。
一般書籍でマティス縦かなの用例って、他にどんなものがあるだろう。その中に、この「違和感」を巧みに活かしたものは、どれくらいあるだろうか。
ちなみに装丁は『偶然の装丁家矢萩多聞氏で、奥付によると組版は有限会社エヴリ・シンク。マティス縦かなの選択は、どちらの仕事だろう。
「エヴリ・シンク 組版」で検索するとGoogleブック検索で何点か引っかかる書籍データがあるけれど、ホームページ等は見当たらないのが残念。