日本語練習虫

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大正四年版『水戸藩史料』の変体仮名と初号活字

ようやく、河出書房版の徳永直『光をかかぐる人々』270頁に記された「齊昭手記」の依拠資料が判明。
水戸藩史料』上巻乾の264-265頁である。

序文が秀英三号、本文が秀英四号で組まれているのだが、「登城いたし候てハ恐入候ゆへ今日ハ風氣と申立登城延引」のあたりに見られる変体仮名、とりわけ「て」などは標準セットか、はたまた同書のために作られた「外字」の変体仮名だろうか、気にかかる。
図書館でシリーズ全体を確認したところ、「上編乾」「上編坤」「下編全」「別記上」「別記下」の五冊セットで刊行されており、刊記は「別記下」にのみ記されている。

著作権者の表記は「侯爵徳川家蔵版」であり、「徳川家蔵版印」が押されている。
このクラスになると、著作者名に初号活字を使わざるを得ないし、単に印刷や発行を行うだけの会社名は別ページへの記載になる。
印刷・発行とも、吉川弘文館