日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

NDL書誌の公開ステータス変更

やはり全書誌メタデータにアクセスできるというのは、ありがたい。個人で国会図書館の全書誌メタデータを手元において参照するという試みから、国会図書館デジタルコレクション(以下「国デコ」)近代デジタルライブラリーのうち現時点でパブリックドメインであるような資料はどれほどあるのかを推計された id:npn2sc1815j さんが、その235万件という国デコメタデータのうち、今年6月1日から30日の間に変更があった244,747件についてインターネット公開に関するステータス変更の内訳を確認された。
7月4日付の「国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲変動」という記事によると、「インターネット公開(保護期間満了)だと思っていたら、いつの間にかそうではなくなっていた」資料が41件あったという。
そのうちの1件は、筆者がNDLに確認を依頼した与謝野晶子『春泥集』である。許諾が必要と思われる案件だったためメールしたもので、即日確認、館内限定となった。
このように、「インターネット公開(保護期間満了)」扱いでパブリッシュしてはいけなかった資料をパブリッシュしていた案件について素早い公開停止を行うことは、支持したい。拙速と言われるくらいのスピード感で、いいだろう。
一方、インターネット公開にしてよいのではないかという指摘を受けた資料(例えば徳富蘆花・愛子『小説富士』第三巻・第四巻)があったとして、本当に公開してよいかどうかの確認については、やはり国デコという言わば電子書籍のパブリッシャーとして念入りな再調査を行う必要があるだろうから、それなりの時間を要することは当然と思う。