日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

平成癸巳/2013年のテーマ

2012年12月10日発行の、誠文堂新光社『アイデア』356号(第61巻1号=2013年1号)から、「日本語活字の文化誌」という連載を始めさせていただいている。

idea (アイデア) 2013年 01月号 [雑誌]

idea (アイデア) 2013年 01月号 [雑誌]

336号に「来るべきマンガタイポグラフィ研究のために」を書いた際も、後になって振り返ってみたときにちゃんと受け取るべき人に届いていたと思えるような、そんな出会いがあればいいなと思って原稿を送り出したんだども、今回も、毎号、自分なりに趣向を変えつつ、各回が(ひっそりと、でもいいので)受け取ってもらえたらとても嬉しい。
書いている間の態度としては、「休日の渋谷駅前のスクランブル交差点ですよ。あの群衆に遠くから石を投げれば、ぜったい誰かに当たりそうな気がしますが、そういった力や意志のない投石は、案外誰にも当たらず、ぽとりと地面に落ちてしまうものです。」「群衆からひとりを引っ張り出し、その人の胸ぐらをつかんで、全力で顔面にぶつけるくらいのことをしないと、とても石は当たりません!」という気合を入れて書いていくので、当たっちゃった人、ごめんなさい。
……
何年越しかの宿題だった徳永直の件は、結局、日本近代文学会ではなくタイポグラフィ学会に、昨年、「印刷史研究の方面から徳永直を再評価すべきことについての提言」である論文を投稿した。
これは、掲載されたところがむしろスタート地点と言うべき性質のものなので、今年から、日本近代文学研究方面(あるいは、プロレタリア文学研究方面または徳永直研究方面と、範囲を狭めても良い)へ、協働による再評価を呼びかける仕事が待っている。
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博聞社の件は、おそらく今年もお預け。今年は、江川活版の件について現在我々が得ている知見について、タイポグラフィ学会/江川研究会の一員としてしっかりと取りまとめておくこととしたい。
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こうした流れの中に、春のイベントが組み込まれているわけなんだども、これは「公式ページ」が用意された時点で、改めて告知をさせていただく。
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来年は年男。還暦までの最後の一巡を、どのように廻っていくことができるか。
大事な助走期間と考えて、この一年を、しっかり過ごそうと思う。