近代デジタルライブラリーを大量に参照していく過程で発見した「和様二号」の多用例については、これまで、『教会撮要』や『からのはうた』第一号など、その都度記録してきたわけなんだども。
今回は、本木昌造直系の印刷所のひとつである、京都點林堂が印刷した『土佐日記参釈』に出会った。特に大量の字種の貴重な用例だった『教会撮要』に見られなかった、いろは仮名「め」が見られるところ（12コマ）・（16コマ）・（22コマ）が個人的なハイライト。ちなみに板倉雅宣『和様ひらがな活字』によると、同じ點林堂の『改正小児養育心得』にはこの（『教会撮要』『からのはうた』に見られない）いろは仮名の「し」「め」「ね」が刷られているらしい。
この『土佐日記参釈』には、和様二号だけでなく、先日紹介した明治十五年総数目録に見られる本様仮名等も混在するのだが、これは見本帖によって判断できる。
ざっと見た感じでは初出グリフは無いように思うが、まだ22コマ目までしか詳しくは見ていない。いずれ精査しておきたい。
