日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

マンガ雑誌の樹脂版

写研『QT』64号(1985年6月)には、毎週四百万部を出してゐた頃の『少年ジャンプ』の印刷について、かういふ話が載ってゐた。

印刷は紙のコストの関係から活版輪転機が用いられるが、現在ここで使われているのは樹脂版。以前の亜鉛版では重くて輪転機の回転数が上がらず、大量の印刷に対応するのには限界があったために変更された。これによって輪転機の回転数は約四〇パーセントアップして毎分六〇〇回転となった。二〇年前の約二〇〇回転からは三倍の量をこなせるようになったが、それでも現在の部数をこなすには十三台の輪転機を六日間、二十四時間体制で動かし続けなければならない。

十三台で四百万部といふことは、一台の輪転機が三十万部強を刷るわけだ。
以前拝見した@koikekaishoさんのツイート(https://twitter.com/#!/koikekaisho/status/26174368782)に、「樹脂板って、すぐ減るから十万部も刷ると文字太るんです」といふ話が書いてあったんだども、もし版を変えないまま三十万部も刷ってたら、マンガの描線もずいぶん印象が変わってしまふんぢゃなからうか。
アナタが見てゐた流川と、己が見てゐた流川は、かなり違ふ流川だったかもしれないよ!?
てなことにならないよう、何万部か毎に版を取り替へたりなさってたんだべか。
『QT』の取材に応じられた共同印刷株式会社の製版部長さんや活版部業務課の主事さん、そのあたり、どうなさってたんだらう。