満六歳で新一年生となったウチの野郎ッコなんだども。
最初の自己紹介で「いちねんいちくみ、うちだ○△□×です。すきなのは、コンピューターでけんさくすることです。」と宣ひ、センセーから「難しいことが好きなんだねぇ」と言はれてきたらしい。
……
野郎ッコが満五歳になったばかりの頃に己は徳永直『光をかかぐる人々』の入力を始めたんだども、その頃はローマ字入力で綴る己の作文ば眺めて、画面に文字が次々現れ出るのを面白がったり、己の膝に座ってキーボードを出鱈目に叩いて文字化け画面になるのを見てゲラゲラ笑ってゐただけだった。
直にカナ入力モードになってるときキートップに書いてある平仮名の通りにキーを叩けば「思い通りのコトバが綴れる」と気づいた野郎ッコ、隔週で出かける県立図書館の検索システムを触りたがるようになった。
毎回、「しんかんせん」とか「のりもの」など特定の語句をキーワードにして関連標目が画面にリストアップされるのを楽しんでゐる。
……
先日、いつもの通り野郎ッコを検索システムの席につかせて借覧本ば返却してた己。
野郎ッコが半ベソで駆け寄ってきて、「ちっちゃい「よ」が出来ないよー」と。
己「じゃぁ一緒にやってみよう」
子「うん」
己「一番端っこにある矢印を押しながら、「よ」ってやってごらん」
子「うん」
己「ほら出来た!」
子「えへへへへ」
何を検索する気だったのかと暫く眺めてゐたら「とうきょう」と入力して「東京」に変換して検索語としてゐた。
……
巷で出会ふ五十音キーボードって、縦書きで右から順に「あ行」「か行」…の並びになってるのと、縦書きで左から順に「あ行」「か行」…になってるもの、横書きで第一行に「あいうえお」「はひふへほ」、二行目に「かきくけこ」「まみむめも」のようになってるもの、などがあると思ふんだども、例えばiPadのソフトキーボードって、五十音キーボードの配列をかうした既製品の好みに応じて変えることができるようになってるんだべか。
コドモに使はせる未来を想像して、ふと、気になった。
ウチの野郎ッコはキーボードはJISカナ派なんだども。
……
さういへば、iPhoneって、カナキーボード選べます?
