日本語練習虫

旧はてなダイアリー「日本語練習中」〈http://d.hatena.ne.jp/uakira/〉のデータを引き継ぎ、書き足しています。

築地ベントン活字その他

2015年に刊行された『タイポグラフィ学会誌』08号に掲載された研究ノート「大正・昭和期の築地系本文活字書体」の段階で「今後の課題」としていたことに関連して幾つか調査が進みつつあることについて、ツイッター等で書き散らしてきた事柄を、中間報告とし…

府川充男氏日下潤一氏旧蔵活字追加

以前、日下潤一さんの事務所でゲラ盆2枚に収納されていた府川充男氏日下潤一氏旧蔵ひらがなカタカナ活字4種をお送りいただいて整理してみた際に、ひらがなカタカナのセットとしては一部に不足の文字種があると見ていたのだけれども。その後ゲラ盆とは別のと…

栃木縣地租改正報告(明治9年第4号)に見られる「磽确」の太字っぷりが気にかかる

ネットオークションに出ていた『栃木縣地租改正報告』(明治8年第1号~明治9年第4号合綴)を入手した。出品時の内容見本写真に、とても気になる箇所があったためだ。手元に届いたものをスキャンした画像を示す。栃木縣地租改正報告(明治9年第4号)一丁(全…

John C. Tarr「Measurement of Type」メモ

2018年の11月に「世界史の中の和文号数活字史」を脱稿し、我ながら今更かよと思いつつ歴史活字サイズの取扱について英語圏のbibliographerが積み重ねてきた議論を再確認してみているシリーズ。今回は、Monotype社のType Drawing Dept.のDirectorだったJohn C…

勉誠出版『書物学』第15巻「特集◉金属活字と近代」に「世界史の中の和文号数活字史」という記事を書きました

勉誠出版から2019年4月30日付で刊行される(された)、『書物学』第15巻「特集◉金属活字と近代」に、「世界史の中の和文号数活字史」という記事を書きました。書物学 第15巻 金属活字と近代作者: 編集部出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2019/04/30メディア…

明治36年刊秀英舎製文堂『活版見本帖』Seibundo Type Specimens 1903のウェブ資源化

2017年に入手し、はてなフォトライフかflickrを活用して公開しようと思っていた明治36年版秀英舎製文堂の総合見本帳である『活版見本帖』ですが。デジタル資源のアーカイブとして活用する際の制限・能力ということを勘案し、Internet Archiveで公開しました…

G. T. Tanselle「The Identification of Type Faces in Bibliographical Description」メモ

先日Rchardson Jr.「Correlated Type Sizes and Names for the Fifteenth through Twentieth Century」を読んでみた際にチェックしておく必要を感じた、G. Thomas Tanselle「The Identification of Type Faces in Bibliographical Description」(1966『Pape…

東京築地活版製造所「昭和新刻7ポ75」(仮称)のこと

先日nipponiaの山田和寛さんから、ちょっと正体不明な感じの活字に関する問い合わせをいただいた。昭和7年3月28日付で鉄道省が発行した『日本案内記 近畿篇 上』(印刷者:日清印刷)に使われている本文活字。問い合わせのためにご提示いただいたのは、ある…

府川充男氏日下潤一氏旧蔵ひらがなカタカナ活字4種

小宮山先生が収集されて府川充男さんと日下潤一さんが共同購入し清刷りを取った後*1日下潤一さんの事務所で保管されていたレアメタルを譲り受けた。このまま一式で保持し続け、「終活」などで手放さねばならなくなった際にはこの一式を(例えばせんだいメデ…

Richardson Jr.「Correlated Type Size and Names for Fifteenth through Twentieth Century」メモ

1850年頃に上海のロンドン伝道会印刷所で使われていたLong Primer活字の大きさが、1841年頃のロンドンの主要活字会社の活字サイズに当てはまらないように思われる寸法だったため、この「小さな Long Primer活字」の来歴について何を手がかりに探せばいいのか…

Ferguson「A Note on Printers' Measures」メモ

W. Craig Ferguson「A Note on Printers' Measures」(1962『Studies in Bibliography』15巻242-243頁)を見た。「R. B. McKerrow stated that many composing sticks of different fixed length were used in early prnting shops.(R. B. McKerrowは、初期…

Bowers「Some Relations of Bibliography to Editorial Problems」メモ

JSTORでバックナンバーが読める『Studies in Bibliography』掲載ペーパーのうち、Fredson Bowersの一番古いものと思われる「Some Relations of Bibliography to Editorial Problems」(1591/51「SB」3巻37-62頁)を斜め読みしてみた。Analytical Bibliograph…

Gaskell「Type Sizes in the Eighteenth Century」メモ

Philip Gaskell「Type Sizes in the Eighteenth Century」(1952/53『Studies in Bibliography』5巻147-151頁)を読んだ。「活字サイズ」というのは活字ボディの寸法であって文字ヅラの大きさのことではない。欧文活字の場合――Gaskellによれば――通常大文字(…

1950年頃の上海London Mission Pressが使っていたLong Primer活字

上海美華書館のWilliam Gambleが長崎の本木昌造に伝えた漢字活字群のうち、ロンドン伝道会(LMS)ルートで開発されて上海に渡った「一号=Double Pica」活字と「四号=Three-Line Diamond」活字。LMSの印刷物で「四号」漢字活字と同時に使われている、一見する…

Bowers「Bibliography, Pure Bibliography, and Literary Studies」メモ

Fredson Bowers「Bibliography, Pure Bibliography, and Literary Studies」(1952年『The Papers of the Bibliographical Society of America』46巻3号)を斜め読み。山下浩氏によって、 英米の書誌学会は、通常 Pure Bibliography といわれる印刷工程や植…

2019年の抱負

2018年、横浜開港資料館「金属活字と明治の横浜」のあれやこれやが落ち着いたら再開しようと思っていた「府川充男撰輯『聚珍録』(三省堂、2005)愛読者Wiki(暫定版)」の作業は、結局手をつけないままになってしまった。今年も多分、優先順位は低い状態に…

明暗

妻と結婚し仙台で同居するようになってから今週で満20年が経過。 … さきほど、3年前の交通事故以来意識不明の状態だった義弟の訃報が届いた。享年48*1。 *1:実際には、満48歳となる誕生日まで10日を切る、そういうタイミングだった。

『活版印刷史』川田久長の履歴について

印刷史研究の大家であり印刷図書館の初代館長を務めた川田久長の戦前の履歴については、およそ次のように紹介されている(増補改訂版である昭和56年版の川田久長『活版印刷史』「刊行にあたって」より)。 川田久長先生がなくなったのは昭和三十七年七月五日…

#組版書誌ノオト(番外編1)昭和新編真宗聖典

『味岡伸太郎書体講座』(asin:9784901835466、以下『書体講座』)164-166ページ「活字の時代にも詰め組はあった」で言及されている『昭和新編真宗聖典』を佐賀県立図書館からの相互貸借で閲覧させていただいた。編集・発行は仏教婦人会仏教青年会連合本部で…

#金属活字と明治の横浜公開講座1 配布資料

5月26日14時〜16時に横浜開港資料館でお話させていただいた「近代活字と明治の横浜」関連公開講座第1回「活字と活字見本帳の語るもの」の配布資料で、「お宝資料」関連で世界各所のデジタル化資料を閲覧できるものをリストアップしてみました。現物とデジタ…

横浜開港資料館「金属活字と明治の横浜」小宮山博史「活字の玉手箱」

去る1月13日から告知させていただいていた横浜開港資料館の平成30年度第1回企画展「金属活字と明治の横浜 〜小宮山博史コレクションを中心に〜」が、いよいよ本日よりスタートしました。資料館サイトの「開催中展示案内」に掲載されている情報は、これまでの…

秀英舎『七ポイント半假名附活字見本』に見えないカタカナルビ付活字

1月に開催された〈連続セミナー「タイポグラフィの世界」6〉第3回「日本語活字を読み込む」の翌日、横浜開港資料館で、移管作業中の小宮山博史コレクションから幾つか資料を見せていただいた。そのうちの1つに、秀英舎販売課名義で大正15年6月に発行された『…

横浜開港資料館平成30年度第1回企画展「金属活字と明治の横浜」

来る2018年4月27日(金)から7月16日(月)、横浜開港資料館で「金属活字と明治の横浜 〜小宮山博史コレクションを中心に〜」という展覧会が開催されます。本日(1月31日付)資料館サイトの「What's New !」のコーナーに、「これからの予定」として情報が公…

入稿原稿の「組方指定」または「組版指定」の歴史を眺める

主に近代文学を中心に、「入稿原稿」に記された「組方指定」または「組版指定」の歴史を眺めてみるシリーズ。…というような感じの連続ツイートを、ツイッターの新機能「モーメント」で、幾つかまとめてみています。 ここ数年で、ウェブ資源として閲覧可能な…

2018年の抱負

「Happy Public Domain Day」へと日付が変わったタイミングで、Oradano明朝GSRRフォント〈戊戌アップデート〉を実施しました。今回のアップデートで青空文庫使用上位3000字に達し、これを区切りとして暫く休眠します。1月27日に阿佐ヶ谷美術専門学校で、連続…

図録『澁澤龍彦ドラコニアの地平』私註草稿

ある文学作品が作者に胚胎し、活字印刷テキストとして我々の眼前に公刊されるまでの間に、どのような経過を辿るのか。 ごく大雑把に一般化して言うと、まず全体的な構想やカギとなる言葉などを記した「アイディアメモ」や「創作ノート」の類が書かれ、次に推…

島連太郎の三光社での活動時期と三秀舎の創業時期

石井久美子「『九ポイント假名附活字見本帳』に見るルビ付き活字 ―外来語定着の一側面―」というテキストを知ったことから、『漱石新聞小説復刻全集』と山下浩『本文の生態学』を読み直していた。実は明治末から大正・昭和戦前期における新聞活字の変遷史を社…

石井「『九ポイント假名附活字見本帳』に見るルビ付き活字」に寄す

↑*1印刷博物館所蔵の活字見本帳を活用した「国語×活字問題」――活字で刷られるところの日本語表記に関する問題――の研究成果として、石井久美子「『九ポイント假名附活字見本帳』に見るルビ付き活字 ―外来語定着の一側面―」という論考が書かれていたことを先日…

新聞活字サイズの変遷史戦前編暫定版

時折ツイートしてみたり、発表会の資料として配布してみたりしている、『東京朝日新聞』本文活字サイズの変遷を示す図がある。このような図まで作っているのは現時点では東京朝日だけなのだけれども、大手紙や地方紙を可能な限り多数集めた「新聞活字の事典…

大阪印刷界(含日本印刷界)所蔵館リスト

刊行年 大阪印刷界 ※48号から日本印刷界 および後継誌 NDLデジコレ コロンビア大 印刷図書館 東大総合 大阪府立 1909明42 1〜2号 2号 1910明43 3〜14号 4〜14号 1911明44 15〜26号 15、17〜26号 1912明45 27〜38号 27〜29、33〜35、37号 1913大2 39〜47/48…